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LIVE REPORT

己龍

全国巡業“鬼祭”〜千秋楽〜単独公演

2011.08.28 sun at 渋谷AX
Open 17:00 / Start 18:00

ライヴ終了後、楽屋に潜伏。

お疲れのところ、申し訳ありませんが…『じゃ、いきまーす!』と、いきなりのオフショット撮影から始まります今回は、己龍ツアーファイナル“全国巡業「鬼祭」千秋楽公演”を行った渋谷AXのライヴレポートを初めての方にも分かりやすい“ヴィジュアル系用語基礎知識”と共にお届け!

ステージをふさいでいた黒幕が両サイドに開き、ステージが少しずつ見えていく。
こ…これは…!!とステージ上に、お墓でよく見る塔婆が鉄柱に大量かつ無造作に刺さっている。墓場をイメージしたものなのだろうか。
しかし、その鉄柱を繋ぐように紙垂が張り巡らされている。
神社をイメージしたものなのだろうか。
…この際、そんな細かい事を気にしている場合では無い。
そんな和テイスト全開なステージに、メンバーが一人一人片手に刀を持ち登場。
衣装もまた個性的であり、着物をベースに作られている。各メンバーにイメージカラーがあり、

黒崎(Vo):紫×黒地に金の刺繍(右袖)×白の袴
酒井(G):赤×金と銀の袴×忍者テイスト
九条(G):緑×カラスの羽イメージ×ロングブーツ
一色(Ba):ピンク×フリル袖×ニーハイ
遠海(Dr):青×忍者テイスト

巧みな刀さばきを披露し、一気に己龍の世界観に引っ張られて行く会場。
先月、発売されたばかりでオリコンインディーズチャート1位のシングル“鬼祭”のイントロが始まった瞬間、リズムに合わせ、会場の右手の拳が上がった。

完璧なる会場のフリ(※振付)に圧巻されつつもステージ上に設置された己龍と書かれた台に立った黒崎(Vo)の紫の着物のたもとがひらひらと揺れる。
『声出せよー!!』と“絶ヲ望ム”の折りたたみ(※前後に体を揺らす事)×ジャンプ×ヘドバン!!
(※ヘドバン:ヘッドバンギングの略。頭を上下左右や8の字に激しく振るV系には欠かせないノリ方)

手をクロスさせるフリも完璧であり、酒井(G)のソロに魅了されつつ、所狭しと走り回る九条(G)と一色(Ba) 。
ステージから激しいフラッシュと共に“死人花”黒崎(Vo)が黒の扇子を手にした瞬間、会場も赤の扇子を手にして高くジャンプしている。
まるで会場が揺れた扇子で作られた波の様な錯覚。
酒井(G)が高く指を上げ“眩暈”が始まり、歌詞にも“ぐるぐるぐる”とあるからなのか皆、手をグルグルさせている。
会場の一体感を肌で感じ、MCに入る。
『叫べ―!叫び続けろー!!』黒崎(Vo)が会場に向かって言うと、個々にそれぞれのメンバーの名前を叫んでいる。
(※この行動を“メンコ”と言うらしい。ちなみに“メンバーコール”の略である)

黒崎(Vo)がステージに座り、スポットライトを浴びる。
『いい眺めだな。もっと聴かせろよ』と、ドSキャラ全開発言に会場が沸く。
計19ヶ所の全国巡業を終え、戻って来たメンバーにファンから『お帰りー!!』の声が。『今日は、悔い無き様に一緒に昇りついて行こうぜ!!』と
“鬼祭”のカップリングである“柘榴”の不思議な世界のギターの音色が響き、ベースとドラムに乗せ、歌いながらタオルをグルグルしている。
女形と呼ばれる一色(Ba)の動きがあまりにも可愛くて、切ないラブソングに花を添える。 (※女形:女性の様な格好の男のバンドマン)

マイクスタンドが出てきて“桜絡ミ”がドラムから入り、ファンから黄色い声が。
ベースの入り方がカッコイイとうっとりしていたら、黒崎(Vo)の一言で会場は逆ダイが始まった。
(※逆ダイ:V系ならではの昔からある文化の1つであり、曲に合わせ、ステージに向かい、背中から突っ込んで行くもの)

最前列のファンが柵をつかって鉄棒をする様に前のめりの体制に。
次々と押し寄せる逆ダイだったが“蟲”では、クルクルとギター2人が回りながら器用に演奏をし、酒井(G)が会場と近付こうと客席に寄って行ったら、そこだけまた逆ダイが始まり、人形みたいな動きをした酒井(G)に対し、ファンが指でハートを作っていた。
白い煙がドカーンと放たれ、『頭使えー!!』でヘドバンの嵐。
一色(Ba)と九条(G)が寄り添いながらの演奏に激しく光るフラッシュとのコラボがより一層輝いて見える。
演奏が終わり、メンコをする会場に向かい、黒崎(Vo)の人指し指が唇に。
『沢山の声をありがとう。ここからは、しばしの間聴き取って欲しいと思います』
と、ピアノから始まり、今までの会場の雰囲気をガラリと変え、しっとりと歌う黒崎(Vo)の伸ばした指が頬や唇に伝い、さざ波や琴も入り、切なさが増す九条(G)のソロギターが響く。
続いてオルゴールの音が会場を包み、“花火”の切ない歌詞が酒井(G)のギターソロと共に突き刺さる。
目が離せないステージに会場はしっとり魅入っている。
“明鏡止水”が始まった途端、扇子と共に行われる手扇子。
(※手扇子:曲に合わせ、手を差し伸べたり、煽いだりする事)

一色(Ba)の力強いベースが響く中、その後ろで黒崎(Vo)が舞い、酒井(G)のギターソロ。
“獅噛ミ桜”の狂気にも思える世界観を演じる黒崎(Vo)に鳥肌がたつ。
『これより更に深く招き入れてみせようか』とノイズと共にステージを赤く染める。歌う黒崎(Vo)の後ろに、ただ話すだけの女性の声が聞こえ、まるで愛の最上級は憎しみなのと言っているかの様にも感じる。

白い煙がドカーン!!とステージ前方から放たれ“夢幻鳳影”で空気を一新する。
遠海(Dr)のドラムソロが会場を引きつけ、左右に敬礼をするメンバー。
右手を上げた一色(Ba)に会場からは黄色い声が。
“雨夜ニ笑ヱバ”“遥カ彼方ヘ…”と続き、『お手を拝借!』と、会場が両手を高く上げ、リズムに合わせ拍手が続き『もっともっと!!』と酒井(G)の動きがギターを弾きながらも舞っているかの様に見えた。
再びMCに入り、『もっと聞かせて欲しいな』と、背中を向けて座り込む黒崎(Vo)や1人1人のメンバーに対し、メンコが行われる。

『僕達がハッキリ入ってるでしょうか?このまま最後まで突っ切って行くから、今まで以上の全員まとめてかかって来いやー!!』で“紫触”のイントロが流れ、会場のヘドバンが始まる。“とおりゃんせ”のメロディ部分が己龍の不思議な魅力を引き立てる。

ステージが緑に変わり、ステージの上のステージに緑色の衣装をまとった九条(G)の哀愁漂うギターソロが響く。『高く飛んでみせるよ』と、今後の己龍とかけているのだろうか。

黒崎(Vo)が扇子を手に持ち“朔宵”のイントロが流れたと同時に始まる手扇子。
曲の構成がとても面白く、己龍のセンスを感じる1曲。
白い煙と共に会場はグルグルと回りながらモッシュが始まる。
“誰彼刻”で何故か“アナザーサイド”のイントロが聴こえて来た。どうやら九条(G)が1曲間違えて弾いてしまった様だ。
そんなトラブルもあったが、ファンを大事にする九条(G)は誰よりもステージギリギリに行き、ファンとの距離を近づけていた。
『この瞬間で本当に最後だから最後まで飛ばしていこうぜ!声、高々に歌いあげろ!!』と、黒崎(Vo)がマイク無しで会場と一緒に“アナザーサイド”を歌いあげ、メンバーが次々にステージを去る。
酒井(G)が指さし確認後、深々とお辞儀をして誰も居なくなったステージにギターアンプの上から常に見守っている沙都子の姿だけが残る。
(※沙都子とは、己龍のマスコットとして、いつもギターアンプの上から見守っている日本人形の事)

そこにスクリーンが降りてきて、VTRが始まる。
10月26日発売となる7枚目のシングル“叫声(きょうせい)”の発表があり、待ってました!と沸く会場。
今回の新曲は酒井(G)が歌詞にこだわり、応援してくれるファンに対してのメッセージソングとなっているとの事。
その“叫声”のPVの初お披露目となり、更に沸く。

オフショット満載となっており、ファンにはたまらないVTRである。
『セールスポイントは、僕の二重あご』と酒井(G)のコメントに笑いが起こり、一色の女の子顔負けの可愛さに黄色い声が上がる。
このPVを撮った茨城の大杉神社には、日本唯一の“夢むすび大明神”というものがあり、己龍のメッセージ付きのオリジナルお守りが売っているらしい。
己龍は、ここで一体どんな願いをしたのだろう?
もしかしたら、ここで今日のステージに立つ事を願ったのだろうか。
そして全国単独巡業“天羅叫声”が発表された。
10月22日の沖縄SALT & PAPPERを皮切りに全24ヶ所、全26日公演を行う。
千秋楽は1月8日、9日再度渋谷AXにて行われるのだが、何とサブタイトルに“全曲網羅”と書いてある。
網羅とは、残さず収め、入れる事の意味。もらす事無く、全てに及ぶ事だ。
そう、何とこの1月8日、9日の渋谷AXにて己龍の持ち歌全48曲を2日間に分けて披露するとの発表があった。
スクリーンが掃け、次々にステージへと戻ってくるメンバー。

酒井(G)が『呼ばれてもいないのに出てきましたー!』と会場に笑いを届ける。
九条(G)がお腹を出していて、ファンの黄色い声が飛ぶ。
先程の“アナザーナイト”を弾いてしまった事を恥ずかしそうに謝っていた。
一色(Ba)は、渋谷AXのステージに皆と一緒に立てた事を感謝している。『メンバーだけじゃ無く、見に来てくれた会場に居る皆が主役だから嬉しい』と少し照れながら言っているのが印象的だった。
遠海(Dr)は次は、2年後の武道館を目指すと力強く言ってくれた。
それに続き、黒崎(Vo)が次回ツアーの2度目となる渋谷AXを目指し、地に足つけて頑張ると抱負を語る。
全20ヶ所回って来て、久しぶりの単独公演という事もあり、結成4年目にして1日だけでは全てが出しきれないと語り、1日目2日目のそれぞれ日にちによって違う24曲ずつを披露し、一度も披露していないファンには、たまらない“アノ曲”も披露するとの事だ。
会場をバックに記念撮影をして、『全員まとめて最高の景色作って行こうぜ!』と、扇子を片手に紫のステージに変わり“花魁譚”“鬼遊戯”“凩”と続き、銀テープがドカーン!

ステージを走り回り、最後は皆で寄り添いながらの演奏を見せてくれて、メンバーで手をつなぎ、ジャンプ!10月から続くツアーへの意気込みを感じ『AX最高だったぜ!どうもありがとう!絶対忘れないからな!』と酒井(G)がマイクを使わずに言い、ステージを去ったが、いつまでも鳴り止まない拍手とメンコが響いていた。

[text by オオタニヒトミ]



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