H.I.P HAYASI INTERNATIONAL PROMOTION

LIVE REPORT

オリヴィア・ロドリゴ

GUTS WORLD TOUR

2024.9.27 FRI at 有明アリーナ

2024.05.20 mon at 東京ドーム
open 17:30/start 19:00

一緒に歌声を交わしたその興奮が、今も胸から離れない。
待望のオリヴィア・ロドリゴ初来日公演レポート!

先に女優として、デビュー。2021年1月に出したデビュー作[drivers license]が、ビルボード・ランキングで初登場1位、しかも8週連続1位を獲得する大ヒットを記録。一躍、時の人となった。その後も、2ndシングル[deja vu]、3rdシングル[good 4 u]とヒットを重ね、同年5月にリリースした1stアルバム[SOUR]も、ビルボード・ランキングで初登場1位を記録した。2023年9月には、2ndアルバム[GUTS]を発売。再びチャートの首位を獲得と、押しも押されぬスーパーシンガーとしての道を駆け上がり続けている。
オリヴィア・ロドリゴは、昨年アルバム[GUTS]のプロモーションのために来日。このたび、WORLD TOURの一環としてふたたび日本の地を踏んだ。ついにライブという形でオリヴィア・ロドリゴとコンタクトを取れる。Sold Outした記念すべき来日公演の中から、10月27日(金)に有明アリーナで行われたコンサートの模様を記したい。
巨大なスクリーンに映しだされた[GUTS]の文字と蝋燭。その文字は、時が経つごとに、蝋燭の火の熱で溶けるように変化していく。時間を経るごとに高まる期待。蝋燭が消えるのに合わせて文字も次々と消え、ステージが闇に覆われた。場内中から上がる黄色い歓声。そして…。
映画の始まりのように、重厚かつシンフォニックな『SHOW INTRO』が流れだす。その音を受け、バンド陣が身体を揺さぶるほどの轟音を次々と響かせる。楽曲が唸りを上げて走り出すのに合わせ、オリヴィア・ロドリゴが登場。高ぶる気持ちを解き放つよう『BAD IDEA RIGHT?』を歌いだした。彼女の歌声へ寄り添うように、会場中の人たちも一緒に歌いだす。場内は、すでに総立ちだ。オリヴィア・ロドリゴが高らかに歌い叫び、演奏陣が荒ぶる音を振りまきながら駆けるのに合わせて、観客たちの感情も上がりだす。舞台の上には、大きく両手を広げ、この場から雄々しき姿で羽ばたくように歌う姿があった。
その勢いを維持しながら、彼女は心地よい歪みを上げて軽やかに走る『BALLAD OF A HOMESCHOOLED GIRL』の演奏に乗せ、気持ちを解き放つように歌っていた。オリヴィア・ロドリゴが手を高く掲げて声を張り上げるたびに、彼女自身の感情のボリュームが上がれば、歌声に導かれた会場中の人たちの興奮した声も上がりだす。サビで生まれたオリヴィア・ロドリゴと歌声を交わす場面にも、心地よいエモさも感じる。この会場に熱を蓄えるのと同じように期待も膨らんでゆく。

スポットライトに照らされたオリヴィア・ロドリゴが声を張り上げて挨拶。その声に、熱情した声を返す満員の観客たち。女性ファンが圧倒的に多いのも、彼女のライブの特徴だ。さぁ観客たちよ、もっともっと声を張り上げろ!!
興奮する観客たちの気持ちへ寄りそうようにオリヴィア・ロドリゴは、ピアノの音色に乗せ、切々とした声で語るように『VAMPIRE』を歌いだした。言葉のひと言ひと言へ深い思いを込めながら歌う姿に、視線と心が吸い寄せられる。中には、彼女と一緒に歌い、歌声をかけあう人たちもいた。共に思いを交わし、その思いを互いに膨らませる。オリヴィア・ロドリゴの動きに視線を奪われながらも、思いを分かち合わずにいれない。歌が進むごとに声(感情)のトーンが上がる様も印象的だ。ノイジーな音がこの空間を包みこむ。ダーク&シンフォニックな演奏の上で、オリヴィア・ロドリゴは思いを零すように歌っていた。 どこか切なさも覚える歌声だ。一つ一つの言葉を噛みしめるよう大切に響かせるその様に、気持ちが吸い寄せられる。後ろには多くのダンサーたちが登場。彼女の悲哀を抱いた感情的な歌声へ優しく寄り添うようなパフォーマンスを見せていた。さらにそこへ、観客たちの歌う合唱のような声が加わり、楽曲は壮大な様を描きだす。
ひと言ひと言に思いを深く乗せるように、オリヴィア・ロドリゴがみずからピアノを弾きながら『TRAITOR』を歌いだしたときも、たくさんの人たちが一緒に歌声を重ね、この曲をドラマチックに彩っていた。ステージの中央に据えたグランドピアノを、みずから演奏。曲が進むごとに感情のアクセルを緩めながら、彼女は哀愁を覚えるその歌声を、この空間へ次々と解き放つ。オリヴィア・ロドリゴが魂を込めて言葉を歌い紡ぐたび、満員の観客たちも、彼女の魂に気持ちを重ね合わせて身体を揺らせば、オリヴィア・ロドリゴの呼びかけへ応えるよう、まるで合唱団のような美しい歌声を、みんなでこの場に響かせていた。なんて素敵な心と心の交わしあいだ。
ピアノの弾き語りで立て続けに披露したのが、オリヴィア・ロドリゴが10代の頃の心模様を歌った『TEENAGE DREAM』。背景のスクリーンには、幼少の頃の彼女の姿??も投影。オリヴィア・ロドリゴはピアノの音色に乗せ、あの頃の自分を懐かしみながらも、言葉を噛みしめるように歌っていた。夢に思いを馳せるその姿は、美しく、みずみずしい輝きを放っていた。後半へ進むにつれ、雄大な様へと変化。とても心を揺さぶる、ドラマチックな展開を描く楽曲だ。

軽快なバンドサウンドが響きだす。オリヴィア・ロドリゴは軽やかなビートに身を任せ、大勢のダンサーたちを従え、『PRETTY ISN’T PRETTY』を歌っていた。巨大な花道を歩みながらダンサーたちと描くパフォーマンスは、まるで舞台劇の一場面を見ているよう。ダンサーたちを美しくも華やかな花のようにも見せながら、オリヴィア・ロドリゴ自身が舞台の上で甘い香りを振りまくように思いを咲かせていた。
躍動したドラムビートと軽快なギターの音に乗せて、オリヴィア・ロドリゴは『LOVE IS EMBARRASSING』を歌唱。まるで青春を謳歌するような華やいだ楽曲が、大勢のダンサーたちのパフォーマンスも加えて、ステージの上で花開く。軽やかにスキップしながら、感情が動くままに声を響かせる姿がとても魅力的だ。
メンバー紹介に続き、オリヴィア・ロドリゴが届けたのが『MAKING THE BED』。微睡みを覚える鍵盤の音色と美しいコーラスに乗せ、ときめいた歌声も巧みに交え、彼女はステージ上に現れたベッドに寝そべり、思いを巡らせるように歌っていた。1曲ごと、その楽曲に相応しいシチュエーションを作りながら、オリヴィア・ロドリゴは一つ一つの楽曲に込めた心の物語を歌い綴る。甘く揺れる彼女の歌声に合わせ、場内中の人たちが手を振り、身体を揺らしていた様も印象的だった。
インタールードとなる荘厳な演奏を挟み、オリヴィア・ロドリゴは客席中央から天に向かって昇る大きな三日月に乗って、朗々と『LOGICAL』を歌いだした。少しずつ空へ上がる月の上で、かぐや姫になったオリヴィア・ロドリゴが、満員の観客たちへ思いを降り注ぐ。2階以上の人たちは、身近な距離でオリヴィア・ロドリゴに触れられる、とても素敵な時間だ。三日月の上にちょこんと座って歌う、その姿がとても愛らしい。
彼女は三日月の上から満員の観客たちを見下ろし、ときには同じ高さで目線を向け、アコースティックギターの優しい音色へ寄り添いながら『ENOUGH FOR YOU』を歌っていた。オリヴィア・ロドリゴが歌いながら手を振るたびに、場内中から黄色い声が飛び交う。ときに視線を見上げ、ときには見下ろしながら、彼女はここにいるすべての仲間たちと同じ心の目線で思いを分かちあうことに喜びを覚えていた。
月から降りたオリヴィア・ロドリゴは、ふたたび眩い輝きを放つ舞台の上へ。彼女はアコギのアルペジオの演奏に乗せ、甘い声をはべらせるように『LACY』を歌っていた。何時しか、回りには大勢のダンサーたちが。円形の舞台の上で歌うオリヴィア・ロドリゴの澄み渡る甘い声へ誘われるように、ダンサーたちが彼女を囲むようにパフォーマンス。ここでも、美しくも幻想的なドラマを描いていた。
歌い終え、身近な距離でファンたちと触れ合うオリヴィア・ロドリゴ。カラフルなカウボーイハットをかぶった女性たちに「SO CUTE!!」と声を上げながら投げKISSする様も見せていた。

アコギを手にしたオリヴィア・ロドリゴが歌ったのが、『SO AMERICAN』。この曲を通して彼女は、軽やかにステップを踏みながら、互いの心を至近距離で感じあえる宴の場に染め上げた。オリヴィア・ロドリゴがアコギをストロークするたびに胸が踊り、心が騒ぎだす。軽やかにステップを踏みながら、オリヴィア・ロドリゴと一緒に気持ちを揺さぶる音と歌声の宴を作りあげていたい。
プレゼントを手にしたオリヴィア・ロドリゴ。そのプレゼントをメンバーらに自慢する場面から、楽曲は『JEALOUSY,JEALOUSY』へ。この曲では、ときに女性ベーシストとねっとり絡みながら、女性の心の中に潜む嫉妬心を黒い音の塊にして、思いを吐き出すように歌っていた。相手を攻め入るように「JEALOUSY, JEALOUSY」と歌う彼女の姿が、感情を露にした様として瞼に焼きついた。
花道の最前で、ギタリストと一緒に胡座をかき、優しいアコギの音色に乗せて歌ったのが『CAN’T CATCH ME NOW』。この曲では、観客たちもアコギの演奏に乗せオリヴィア・ロドリゴと一緒に歌唱。シンプルな音の上で大勢の人たちが共に歌声を重ね合い、気持ち揺さぶる大きな大きな思いの輪を作りあげていた。彼女が吐息まじりで歌うタイミング合わせて一緒に歌いあげる、その関係性と絆が素敵だ。
立て続けにオリヴィア・ロドリゴは、アコギの演奏に乗せて『HAPPIER』を歌唱。一音一音の温かみが伝わる演奏の上で、思いの揺れ動くままに抑揚した歌を響かせる、その姿と声に伸ばした心の手をずっと添えていたかった。

イントロが流れたとたんに、興奮の声を上げる観客たち。オリヴィア・ロドリゴは,甘く優しい声で『FAVORITE CRIME』を歌唱。ステージの上で軽やかに舞い躍るダンサーたちの前で、沸き立つ思いのままに彼女は歌声を響かせる。そこへ大勢の観客たちも歌声を寄り添える。そこには、胸を揺さぶる最高に熱情した景色が生まれていた。
続く『DEJA VU』でも彼女は、胸の奥から沸きだす思いを早口で、少し感情を抑え目に歌っていた。キリッとした表情と真っ直ぐな立ち姿で、彼女は歌声に生命を与えるように歌っていた。終盤へ向かうにつれスケールを増す演奏やコーラスも嬉しく胸を震わせた。
大地を揺るがすように重厚な音が響き出す。『THE GRUDGE』だ。セクシーな真っ赤な衣装に着替えたオリヴィア・ロドリゴが攻めるように、気持ちを奮い立てるように、身体を揺さぶり歌っていた。飛び跳ねながら声を張り上げて歌う彼女に合わせ、荒ぶる感情をシンクロした観客たちも、共に声を荒らげていた。勇壮なその姿は、とても凛々しくて勇ましい。
その勢いを増幅させるように、オリヴィア・ロドリゴは魂を奮い立て『BLUTAL』を熱唱。ときに舞台の上へ寝そべり、でも挑発する姿勢を失くすことなく、彼女は観客たちの興奮したい感情の琴線を、感情を露にしたその挑戦的な歌声で掻き毟る。終盤、みずからギターを手にし、2本のギターで熱くバトルしてゆく様も気持ちを熱く奮わせた。
彼女の感情がさらに高ぶりだし、『OBSESSED』を通して更なる攻撃の手を加えてゆく。絶頂を迎えたところで、瞬時に『ALL-AMERICAN BITCH』を歌いだす。緩急を効かせて攻める愛らしい女王っぷりが最高だ。気持ちが動くままに歌い騒ぐオリヴィア・ロドリゴ。落ちサビで生まれた美しい声の合唱。そのまま楽曲は,激しい音の熱を上げながらクライマックスを迎えていった。
舞台下からゆっくりとオリヴィア・ロドリゴが姿を現した。歌声へ巧みに緩急をつけながら、『GOOD 4U』でも彼女は挑発と攻撃の手を緩めない。白いタンクトップ姿のワイルドな女性に成りきったオリヴィア・ロドリゴは,ずっと観客たちを妖しくセクシーに挑発。この場に、熱狂と興奮と高揚の景色を作りあげていった。
最後にオリヴィア・ロドリゴは,ダンサーたちを従え、『GET HIM BACK』を熱唱。観客たちも熱狂の合唱へと巻き込み、気持ちを熱く掻き毟り、思いきり感情をさらけ出す場を作りあげ、仲間たちと共に歌いながら熱狂の宴の幕を閉じていった。終盤、みんなで一緒に歌声を交わしたその興奮が、今も胸から離れない。

[TEXT by 長澤智典]
[PHOTOS by SOSHI SETANI]


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