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LIVE REPORT

ZAZ

ZAZ Japan Tour 2017

2017.05.08 mon at 東京 Bunkamuraオーチャードホール
open 18:00/start 19:00

最後は総立ち! フランスを代表するアーティストZAZの
ハッピーオーラに包まれた一体感あふれる音楽体験

エディット・ピアフの再来といわれるフランス人アーティストZAZ(ザーズ)が、2年ぶりとなる来日公演『ZAZ Japan Tour 2017』を行った。
昨年は女優・安田成美16年ぶりの連ドラ主演作として話題となったオトナの土ドラ『朝が来る』(東海テレビ/フジテレビ系)に「もし私が忘れるようなことがあったら」が主題歌として起用され、今年はNHK Eテレ「旅するフランス語」内のスペシャルコーナー「ZAZと一緒に単語を学ぼう」にレギュラー出演するなど、フランス人アーティストの中でも抜群の知名度を誇るZAZ。テレビで彼女を知ったのか、会場には若い女性の姿が多い。

「エディット・ピアフの再来」といわれると、“シャンソン歌手”という印象を持たれるかもしれない。日本でもクインシー・ジョーンズがプロデュースした彼女のシャンソン・カヴァー・アルバム『Paris / PARIS~私のパリ~』が話題になったが、この代名詞は、彼女独特のハスキーボイスと、初期にモンマルトルの路上で歌っていたという共通項から付けられたものだ。
ZAZは幼少期よりアカデミックな音楽教育を受け、音楽大学を卒業した後はジャズ・ヴォーカルのアンサンブル、バスク音楽のダンス・オーケストラの団員、ラテン・ロックバンドのメンバーとしてアーティストとしてのキャリアを積んだ。2006年、パリに移りキャバレーや路上で歌うようになり、彼女の歌声を聴いた人々が「エディット・ピアフの再来」と口にするようになったのだ。
2010年、“ハスキーボイスの歌い手”を探していたプロデューサー・作曲家のケレディン・ソルタニの募集広告に応募し、ファースト・アルバム[モンマルトルからのラブレター –ZAZ]をリリースすると、2010年度フランス最大のヒット・アルバムとなり、現在では、世界で最もアルバムが売れているフランス人ミュージシャンの一人となった。

そんなバックボーンもあり、彼女のライブはジャズ、ブルース、シャンソン、ラテン、ロックと多彩な音楽ジャンルが取り入れられている。

オープニングで元気に飛び跳ねながらステージに登場すると、オリジナルのポップチューン「LA FÉE(妖精)」からスタート。キーボード、ベース、ギター、ドラム、そしてトランペットという構成のバンドを従えて、ステージを右へ左へ歌いながら駆け回ったかと思えば、宇宙船から光が放たれるような演出が映えるテルミンのソロ、そしてカズーのソロなど、ZAZ流のエスプリがオープニングから炸裂する。
冒頭にカンペを見ながら「みんなに会えて、うれしい!」と日本語あいさつしたが、もどかしかったようで、以降のMCはほとんどフランス語に代わったが、その語り口からも、彼女の楽しさが伝わってくる。
キャバレーの雰囲気漂う「LA HYSTORIA」や、ピアノのイントロが印象的な「DANS MA RUE(私の街で)」、そしてアコーディオンを用いた定番アレンジの「SOUS KE CIEL DE PARIS(パリの空の下)」など、スタンダードなシャンソンの名曲も聴かせてくれたが、大きな盛り上がりを見せたのは、バラードの「TOUS LES CRIS LE SOS(SOSのあらゆる叫び)」からはじまる後半のロックセットだ。

アコースティックギターがリズムを刻む「JE VEUX(私のほしいもの)」では、日本語の歌詞も聴かせてくれ、客席の手拍子も一層大きくなる。「トーキョー!」とさらに手拍子を求めるZAZと、バンドのグルーブに次々と席から立ち上がるファン。「大好きな曲」だという「LA LEGENDE DES COLIBRIS(ハチドリの伝説)」では、トランペットを模したコール&レスポンスでファンと一緒に大盛り上がり。ラストの「EBLOUIE PAR LA UNUIT(まぶしい夜)」が終わると、スタンディングオベーションの嵐に手をぐるぐる振りながら応え、投げキッスをしまくるZAZ。
アンコールの1曲目はピアノと共にしっとりと歌いあげる「LA TENDRESSE」そして「CHAMPS ELYSEES(シャンぜリゼ)」では客席も手拍子と「オ~、シャンゼリゼ」の大合唱。ラストの「ON IRA(行こう!)」では客席も総立ちで、「これぞライブ!」というようなノリノリなロックチューンで締めくくった。

ZAZが歌っている姿は、とにかくキュート。ときにかわいく、ときに激しく客席を煽るが、その動作のひとつひとつに音楽への愛とライブを楽しむ精神が溢れている。これは客席にも伝わり、ステージと客席という距離を超え、会場中が音楽で一体になった幸福感に包まれた夜となった。

[TEXT by YUKARI SAKAMOTO]
[PHOTO by SOSHI SETANI]


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