success Vol.1
麻生夏子 / 小松未可子 / でんぱ組.inc
2012.10.29 mon at Shibuya O-EAST
open 18:00 / start 19:00
小松未可子×麻生夏子×でんぱ組.incによる
新イベント”success vol.1″サクセスへアクセス!
誰が言ったかアイドル戦国時代。
どこもかしこもアイドルが天下を狙い日々紛争中なのである。
そんな中、渋谷O-EASTにてイベントが行われると聞きつけ、いざ出陣!
そこには沢山のファンが平日にも関わらず会場を埋め尽くしているではないか!これからどんな戦いが始まるのだろう…そんな期待が膨らむ中、開演前から会場の電気が暗くなりステージ上手横にあるサブステージの黒い幕が開いた。
そこに登場したのは…クマ?いや、クマがもう1匹…いや、クマが2人…ん???
正しくはこうだ。
クマの格好をした…いや、クマの着ぐるみを着た…いや、クマのコスプレをしている女の子が2人登場!
クマの口からニョキっと出た端整なお顔立ちにモコモコ素材のワンピース。更にはニーハイで絶対領域がまぶしく光っているではないか!
この2人は誰だ!?
正解は、くりかまきというDJユニット。
噂によると彼女らは家からそのクマ・スタイルで来るらしい。
DJブースの下手にPOPが用意されていてエレクトリカルパレードのピコピコバージョンと共に登場したくりかまき。
曲に合わせ行進を続け、DJのくりかがDJブースにてプレイを始めると1曲目は何とあのオオカミバンドMAN WITH A MISSIONのDON’T LOSE YOURSELFが!
オオカミさん対クマちゃんの戦いが始まった。
クマちゃん達はオオカミさん達に負けない様に頭をブンブン振り回す。
まるで迷子の森でオオカミさんに食べられそうになっているクマちゃん達が必死で戦っている姿の様だ。
その姿を応援すべく会場の至る所で始まるヲタ芸。
ここで少しだけヲタ芸というものを紹介したい。
ロマンス:ヲタ芸の最も有名な技。両手の人差し指で左の頭上を指さした状態から腕を引き、右でも同じ動作を交互にする。
OAD::Over Action Dolphinの略。左右交互に体をひねり顔の横で手拍子を打つ。
マワリ:回転とも言われ、頭上で手拍子をしながらジャンプし、回転する。
PPPH:「ぱん・ぱ・ぱん・ひゅー」の略。読み方は「ピーピーピーエイチ」体の左側で腕を振り下ろす様に手拍子を1回打ち、右側で2回打ち「ヒュー!」と言いながら右手をあげてジャンプする。
他にも自分の腕を使って十字架を表しアーティストに対する聖なる祈りを捧げるという“ロザリオ”があったり、愛情を送るという“ケチャ”というものも。
そんな中にも“タイガー”という腕を組み、仁王立ちスタイルのままステージ上のアーティストをじっと見つめるというヲタ芸もあったり。
奥が深いもの=ヲタ芸といった感じだろうか。
さてさて、ステージは盛り上げ役のまきが「知ってる人は一緒に歌って下さい!」と会場を沸し、出だしから温めまくりのステージング&プレイに沢山のコールが起こる。「ワンマンも遣りたいし、とにかくこれから色んな事に挑戦していきたい」と、関西弁でくりかが言っていた。衣装について聞いてみると「クマなんで…衣装って何ですか?」と、確かにこれからどうなってしまうのか…気になるクマさん達…くりかまきであった。
再度サブステージの黒い幕は閉じ、真っ暗なステージの真上からスポットライトが照らされ小松未可子の登場。
笑顔が少し照れている感じでベージュのロングブーツに白のシフォン系ワンピース姿でテレビアニメ”モーレツ宇宙海賊”のイメージソング&ゲストエンディングテーマとなっている”Black Holy”からのスタート。
サビに入る部分の前の会場からの掛け合いもバッチリ決まり、小松の…いや、ここでは「みかこし」と呼んだ方がいいだろうか。みかこしのイメージカラーである青のサイリウムが会場を埋める。
「皆さんこんにちは!小松未可子です!初のO-EAST、初の対バンという事で緊張していますが私の事を知っている人も知らない人も楽しんでもらえる様に頑張ります!」と挨拶をし、緊張して忘れてしまいそうだからと手のひらにセットリストを書いている事を披露し、手のひらを会場に見せると至る所からエールが。
幻想的なイメージの”砂漠のタイムマシン”では真っ赤なステージと青のサイリウムのコンビネーションが生まれ、歌詞の「キミに会いたい」では会場がひとつになり「会いたい」コール。
“Infinity sky”のスカ要素を取り込んだアップテンポにマワリが見えたりケチャが見えたりと体いっぱいで楽しんでいるファンの姿にみかこしのはにかんだ笑顔が炸裂!
「私はどういう人かと申しますと声優をやらせていただいております。会場をいい感じにあたためて次の方へバトンタッチしたいと思います」と控えめなコメントだが既に会場は秋風の冷たさというものは忘れていた。
ヴァイオリンの颯爽とした音色が包む”ジャスミンの風に”やアップテンポに乗せ手拍子が起こった”ユメノアリカ”が並び、今月7日に発売される2ndシングル”冷たい部屋、一人”のカップリング曲である”夏至の果実…”が初披露された。
みかこしの透き通る声にどんどん引きつけられ、その透明感を青のサイリウムが包み、水を溜めた時に透明なはずの水が青く見える事を思い出す。
透明は数を集め大きくなると青になる…そこからこのイメージカラーになったのだろうと感じさせられるステージとファンに感じさせられた気がした。
バンドメンバーの登場と共に会場はオレンジのサイリウムに変化した。
このオレンジのサイリウムはファン(麻生夏子のファンを”なっちゅりーに”と呼ぶ)の間では最も明るい色の「ウルトラオレンジ」と呼ばれ、このウルトラオレンジが会場を埋め尽くす。
麻生夏子初となるバンド編成でのライブに麻生…ここでは「なちゃーん」と呼ばせていただきますが!その、なちゃーんが新曲”Parade”の衣装で登場。
フランス鼓笛隊風のケピ帽に緑チェックのミニスカートワンピからは絶対領域がチラリ!
ステージの端から端まで走り回り、ウルトラオレンジに負けないとてもパワフルなステージングなのだが、見せ方が日本人らしく無いというか言ってしまえば海外アーティストのステージングに似ているのだ。
とてもパワフルで魅せ方、盛り上げ方、全てが完璧な気がした。
11月11日から始まるワンマンツアー”Hypersonic☆Circuit”は今回のバンド編成でのツアーになる事を発表。
新曲”Parade!”のPVにも出演しているバンドメンバーとの絡みに「こういう事、出来るの超楽しいよね〜!!」と、なちゃーんバンドの出来具合に本人も大満足の様子。
なっちゅりーに達が”ダイアモンドスター”の曲に合わせマワリを打ち大合唱して盛り上がる中、なちゃーんもステージをクルクルと回りながら所狭しと駆け巡る。
パワフルかつ大胆なステージを後にするなちゃーんに沢山の拍手と声援が送られた。
バンドセットが全て転換と共に無くなり、真っ暗になったステージに突如、目映いフラッシュが炸裂。
そのフラッシュと共にステージを縦横無尽に歩き回る6人の姿が見える。
まるでどこかのファッションショーかの様な登場シーンに他とは違う何かを感じ、Beastie Boysの”Sabotage”が始まるのだが…アイドルがBeastie!!??とビックリする事よりも、この動きは何だ!何なんだ!?と目が離せなくなっている。フラッシュではよく見えなかったがパッと見、それぞれのメンバーカラーのスカーフを付け、真っ白なセーラー服だと思いきや、セーラー服にアニメの顔が大きく書いてあり、見た目に衝撃を受けたというのもあるのだが…とにかく凄いんです!
寝っ転がったり、叫んだり、ラインダンスしたり、コミカルというかケミカルというか…スピーカーの上に足を上げてリズムにノリながら歌ったかと思うとステージ最前ギリギリまで行ってファンを触りまくったり!
何がビックリってアイドルなのに会場でサークルモッシュが起きているのだ!
もう!何でもあり!みたいな雰囲気に飲み込まれそうになりながら何が起きてもビビっちゃいけない!と思いながら見ていても次から次から想像もつかない動きがドンドン来る。
「萌えキュンソングを世界にお届け!でんぱ組.incです!」お決まりの挨拶も揃い、”ねむきゅん”こと夢眠ねむの「今日は金曜日のつもりで盛り倒して下さい!」と平日にも関わらず0-EASTを埋め尽くすファン達に感謝の言葉が伝えられた。
寸劇というかミュージカルというか…操り人形の様な動きから始まる”Future diver”や”君も絶対に降参しないで進まなくちゃ!”ではドラゴンボールのかめはめ波やストリートファイターでお馴染み竜巻旋風脚が出たりと誰もが出したくても出せなかったワザがここでは出せている!
新曲”W.W.D / 冬へと走り出すお!”の発売が発表されメンバーが揃って「ご参照くださいませ」と続け、アンコール”キラキラチューン”を披露している最中、”みりんちゃん”こと古川未鈴が”もがたんぺ”こと最上もがの立ち位置でモメていた。その2人の仲を取り持とうと他のメンバーが試行錯誤していたのだが、この喧嘩が寸劇チックなものだと気付くのに時間がかかった。
つまり彼女らは本気でやっているのだ。
気付けば、でんぱ組.incワールドにずっぽりハマっている事に気付かされる。
ステージの上で繰り広げられる青春というものがまるで走馬灯の様にPVを生で見ているかの様に感じた。
最後は皆でピースサインをしてステージを去るメンバーに沢山の声援が送られた。
LOVE & PEACEとはこの為に創られた言葉だったのかも知れない…と思わせる程、あっという間のイベントであった。
今日、このイベントに集まったファンはとてもラッキーだった気がするのは私だけだろうか?
3組が3組とも個々を持っており、アイドルというくくりだけに入れてしまうだけなんて勿体無い。
sccess vol.2は是非とも普段アイドルという文化に触れた事が無い方もお誘い合わせの上、足を運んでいただきたい。
[TEXT by オオタニヒトミ]
[PHOTO by HONDA YUJI]