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LIVE REPORT

STONE SOUR

Stone Sour Japan Tour 2017

2017.09.04 mon at 東京 Zepp DiverCity
open 18:00/start 19:00
Special Guest:MAN WITH A MISSION

カリスマVo.コリィ率いるSTONE SOUR来日!
奇跡の一体感と鳥肌もんのカッコ良さに感動!!

少し肌寒さを感じさせる9月の東京・お台場。そんな気候もお構いなしに、ほぼほぼ黒Teeで臨戦態勢を整えた、まさに黒山の群衆がZepp DiverCity前の一角を占拠している。SlipknotのVo.コリィ・テイラー率いるSTONE SOURのジャパン・ツアーがついに初日を迎えた。[OZZFEST JAPAN 2013]以来4年ぶりとなる待望のツアー実現、さらには東京2DAYS、名古屋、大阪の全公演をMAN WITH A MISSIONがゲスト・アクトを務める。黒Teeの胸や背中には、その戦闘力を高めるかのごとく、STONE SOUR、MAN WITH A MISSION、Slipknotや、KNOTFESTをはじめとした様々なフェスのロゴが踊る。ファンの主張と期待を携えて、早足に会場へと吸い込まれていく人々、平日にも関わらずその数は2000を優に超えた。

場内にBAD RELIGIONの『MAN WITH A MISSION』が鳴り響くと、弾けるような大歓声が沸き起こる。まずは狼たちの狂宴、MAN WITH A MISSIONのゲスト・アクトで幕を開けた。それにしても彼らのアクトは…援護射撃と呼ぶには搭載している火薬量がハンパなかった。緊張感も孕んだ『evils fall』でアグレッシブに口火を切った序盤、その時点で場内は圧巻の盛り上がりを見せる。だが、さらにも増してバンドのパフォーマンスから伝わる気魄がフロアの勢いを加速させていく。3曲目『Give it away』のドライブするグルーヴが、STONE SOURファンも飲み込んで場内のロックンロール魂をガッチリわし掴みにすれば、もはや後は踊るのみ。タイトに締まったボトムが腰を揺らし、伸びやかなメロディと壮大なコーラスが曲のスケールを押し広げていく。
「楽シミニシテ参イリマシタカ、アナタタチ。我々モ終ワッタラスグニ(フロアを指差して)ソノ辺ニイマスノデ」
STONE SOURとの共演の機会に感謝の思いを伝えるジャン・ケン・ジョニー(Vo&Gt)。そしてこの2バンドの共演は今回の日本ツアーだけに止まらず、10月に北米4箇所のツアーも決定している。尊敬するバンドとの共演の機会は、同朋としての立ち位置で、しっかりと意識の高さや気合を見せつけるパフォーマンスだった。トーキョー・タナカ(Vo)は、その熱量を歌やステージでの一挙手一投足に溢れ出させ、ラスト『Raise your flag』ではDJ Santa Monicaが宙を舞う。40分という短いステージながら、新曲『Dog Days』も披露し、勝負感満載の充実したアクトだった。

20分のインターバルのうちに、気付けばフロア前方はすっかり男性率が急上昇。ステージ最前には横幅2メートル近いお立ち台が3台並ぶ。上手にはヒュース&ケトナー、下手にはEVH、そしてDrを挟んで左右にEDENが2セット、それぞれ2段積みのアンプキャビが壁を作り、中心にはフロントヘッドに“眼”をプリントした2バスがフロアに睨みを据える。シンプルながら壮観なセットに高まる緊張と興奮。グロテスクな仮面を外したカリスマ・ボーカリストがいよいよ登場するのだ。抑えていた高揚感は、場内の暗転とともに怒涛の奔流となって解き放たれた。
メンバーの登場に、野郎どもの地鳴りのような歓声が会場の空気をビリビリ震わせる。メンバーはコリィを筆頭に4名がサイドを剃り上げたモヒカン、そして上手に立つジョシュ・ランド(Gt)はトレードマークのスキンヘッド。イカツい。のだが、その猛烈な歓声にコリィは笑みをこぼしながら軽快なステップを踏み、そして一撃必殺のシャウトを一閃、瞬時に会場は狂熱のるつぼと化した。

今回のツアーは6月30日にリリースされた6thアルバム[HYDROGRAD]を引っ提げてのジャパン・ツアーである。冒頭を飾ったのは収録曲『Taipei Person/Allah Tea』。鮮烈に飛び交うシャウトと脳内に直接響くような迫力のグロウル、そして一転してポップで伸びやかなメロディが絶妙にザラついた無二の歌声とともに広がっていく。それを、初見ながら抜群のレスポンスで合唱するオーディエンス。最新アルバムの浸透度の高さを伺わせ、バンドとオーディエンスのテンションは相乗効果的に高まっていく。「アリガトー! トキオ! サイコー!」と、ど頭からピークに達したコリィのご機嫌は、この日何度も「ファッキン・アメイジング!」を連発し、終始下がることはなかった。
序盤で一気に会場の温度を上げるような激しいナンバーをたたみかけ、同時に世界屈指のシャウトをたっぷり堪能。ボーカルを支えるバンド陣も実に巧みで、ロイ・マイヨルガのドラムは過度な音色加工をせず、デカい口径のタイコをそのままブッ叩いたような生々しさが曲に感情や息遣いを載せていく。その威容を誇るジョニー・チョウ(Ba)は、臓物を突き上げるような低音を唸らせながらもバラエティ豊かな楽曲の押し引きを担う。どう猛なボトムの上で踊るような直情的なプレイを感じさせるクリスチャン・マルトゥッチ(Gt)はステージ下手で随時オーディエンスを煽りたて、ステージ上手に立つジョシュはクールな佇まいながらも、カラフルでシェイプも多様なギターから重厚なオールレンジ・サウンドを吐き出す。また、この日の光景を焼き付けるように、隈なくオーディエンスを見つめる真摯な姿も印象的だった。そしてコリィの歌は曲が進むごとに、オーディエンスの耳と心にその魅力をより幅広く、より深く刻み込んでいく。ライブ前半戦の山場に配された『Brother』、映画[スパイダーマン]で起用された名バラードを、SGギターを手に弾き語りで歌い上げる。しかもコリィはまるで街のパブで演奏しているような空気感で、オーディエンスとのコミュニケーションを楽しみながらプレイ。美しい歌世界は存分に、それでいてコリィとの距離感を近くに感じられる贅沢な空間を演出してくれた。こういった空間に身を委ねられるのもライブならでは。血のたぎるような熱狂もさることながら、是非“その場”で体感してもらいたい一幕だ。

この日のセットリストだが、こちらも贅沢の一言。アルバム[HYDROGRAD]からの選曲では、ライブ映えする楽曲の数々が最新作のクオリティの高さをきっちり証明した。そして『Get inside』をはじめ、激烈な衝動がフロアを貫く初期の楽曲や、エモーショナルの高ぶりを誘発するドラマティックな楽曲、まさに各アルバム代表曲のオンパレードである。クラシカルなハードロック・テイストも最新型のヘヴィなエッセンスも内包したロック・ナンバーの数々は、緩急自在にしてそれぞれが珠玉。“聴きたかったあの曲”が遠慮なく居並ぶ有様は、ライブ後半へと進むにつれてさらに熱を帯び、限界なきピークを塗り替えていく。
そして改めて痛感するのは、コリィの多彩な表現力と、ロックに根付いたバンドの“核”が露わとなる演奏力、さらに一向にそのパワーがヘタらない圧倒的なパフォーマンス力だ。いやはや、世界一線級の猛者とは恐るべしである。オーディエンスは息つく暇なく歌い、踊り、拳を突き上げる。優しい歌声に温かく包み込まれたかと思えば、「サワゲェェェ!」のひと吠えとともにフロアは惨状と化す。ふと見ると、タオルを首に巻いたMAN WITH A MISSIONのTシャツ女子もフロア前方に突入し、笑顔でモミクチャに。コリィを中心とした絶大なる求心力は大きな渦を巻き、アプローチの違いをなぎ倒して絶対的なロックの“楽しさ”に巻き込んでいく。だからオーディエンスは常に笑顔、そしてステージ上のコリィもまた笑顔。様々な世代、様々な趣味嗜好、それぞれに熱量の違う人々が、ごくごくシンプルに“ロックの楽しさ”だけで繋がる一体感。2000人オーバーの空間において、それは奇跡と言っても過言でないだろう。この夜、確かにそんな最高の空間が生まれていた。

素晴らしい楽曲と素晴らしい演奏に加え、コリィが隙あらば撃ちまくるキャノン砲、どこか懐かしさも感じさせるバルーン人形の襲来、それらもオーディエンスを沸かせる重要なエンターテイメントだった。激アガりしたのは当然だが、何よりもSTONE SOURとして来日できたメンバーの想い、そしてこの機会を待ち望んでいたファンの想い、そのぶつかり合いこそが最強のカンフル剤だと思える。最高の祝砲がブチ上がったSTONE SOURのジャパン・ツアー初日。全身全霊でプレイされた楽曲数は全18曲、凄まじい観応えと最高の体験を人々の心に刻み込んだことは間違いない。この貴重なツアーも残すところ1本、9月8日(金)ZEPP OSAKA BAYSIDEのみだ。この間違いない“楽しさ”を是非とも体感していただきたい。ただ単にカッコイイ、それだけで鳥肌もんの感激を味わえる。

[TEXT by GO NEMOTO]
[PHOTO by YUJI HONDA]
[MAN WITH A MISSION PHOTO by Nobuyuki Kobayashi, Daisuke Sakai(FYD Inc.)]


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