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LIVE REPORT

Royz

Royz OnemanLive 【Royz】

2014.06.11 wed 赤坂BLITZ
open 18:00 / start 19:00

ギター和稀、突然の脱退。
様々な想いが交錯する中、ついに迎えたLAST LIVE!!
視覚と聴覚を刺激する渾身のライブに熱狂と感動のオンパレード!

Royz和稀(Gt.)のLAST LIVEとなるワンマンライブ【Royz】が、赤坂BLITZにて急遽開催された。2009年のインディーズデビュー以来、発表するシングルは、次々とオリコンインディーズシングル週間ランキングの上位をマークし、国内のみならず、アジア各国でワンマンライブを行うなど、今まさに次世代のヴィジュアルシーンの中心軸を担うバンドである、Royz。順風満帆に見えた歩みの中、家庭の事情による和稀のRoyz脱退が発表された。多くのファンが困惑し、メンバー自身も受け入れながらも、それぞれがやり場のない想いを抱えたまま、その日を迎えていた。
開演直前、降りしきる雨の中、駅へと繋がる階段までもが、この日の為に詰めかけたファンでびっしりと埋め尽くされていた。9割は女子高生、というくらい、女子率が高い。いざ、会場へと足を踏み入れると、既に1階のフロアはもちろんのこと、2階席まで超満員。梅雨の湿度をゆうに越える熱気に圧倒される。
チケットは、SOLDOUT。ニコニコ生放送でも放送が決定するなど、注目が集まる本公演だけに、どんなパフォーマンスを魅せてくれるのか、期待が高まる。

暗闇の中のLEDスクリーンが赤く染められ、挑発的なギターリフと共にRoyzが登場!黒を基調とし、赤のラインがポイントとなる衣装を身に纏い、ヒラヒラとした腰巻きからは網タイツがちらりと見える。まずは視覚で楽しませてくれる、ビジュアル系バンドの醍醐味とも言えるだろう。Vo.昴がオープニングチューン『NOAH』を透き通った伸びのある声で歌い上げると、いきなりヘッドバンギングで会場が前後に揺れる。のっけからの一体感に、息を呑む。先ほどまで、ピュアな雰囲気を醸し出していた女子達の変貌ぶりに驚きつつも、その非日常的な空間への好奇心と、Royzメンバーのパフォーマンスの妖艶さ、楽曲、映像、そしてファンが織りなす独特の世界観へどんどん引き込まれていく。更にテンポアップしてなだれ込んだ2曲目『Ms.Veronica』の冒頭では、花火の特殊効果で一気に会場のボルテージが上がる。本日の主役、Gt.和稀がステージ前に乗り出し、「もっと!もっと!」と煽る仕草をすると、会場は両手を上げ、ジャンプをして応戦。「いいね!いいね!いいね!」とVo.昴もテンションを上げていく。白い閃光に包まれたかと思うと、視覚を刺激するビビットな映像とともに繰り出した『クロアゲハ』では、お決まりの”振り”でさらに盛り上がりを見せる会場。和稀がソロでお立ち台に上がると歓声が湧く。Ba.公大と背中を合わせ、楽しげに演奏するGt.和稀の姿も。

お待ちかねのMCでは「あの、、こんな日に申し訳ないですけど、、、、僕、チャックが開いてるらしいです!!!」というVo.昴のなんとも潔い(!?)カミングアウトに、会場が爆笑の渦に巻き込まれる。すかさず、「改めまして、Royzです!よろしくお願いします!」と挨拶。そして、今日までの胸の内を語った。「今日は、とことんとことん、楽しんでやろうと思いました。皆さんも、いろんな感情があると思いますが、やっぱり僕たちに似合うのは笑顔だと思ってますので、この世界中で今日が一番笑顔があるっていうぐらいに、笑顔が溢れるライブにしたいと思いますので、今日は全員の一人一人の力を貸してくれ!いいかBLITZ!
と、ファンの気持ちを想いつつ、自分を、そしてファンを鼓舞するように「赤坂BLITZ、Royz、思いっきり飛ばして行こうか!」と叫ぶ。

ジェットスモークが噴射されると同時に、7/2に発売が決定している、3rdアルバム【CORE】から、アルバムのリード曲でもある、『REVELATION』さらには『プロミネンス』を立て続けに披露。アグレッシブ、かつ疾走感あふれる楽曲に、吹き上げる紅炎を表現した映像とがリンクする。ファンも拳を突き上げ、左右に頭を揺らす。メロディアスで聴きやすいといったこれまでのRoyzの良さを残しつつも、先鋭的かつ、進化を感じさせる楽曲。愛おしく切ない歌詞をテーマとしているRoyzだが、今回のアルバムは、メッセージ性の強いものとなっているようだ。今のRoyzの真ん中=COREにあるものが詰まっているという、このアルバム。発売が待ち遠しい。

ライブも中盤。静寂の中、ピアノから始まるバラード『夕月夜、淡い夢』を披露。時が止まったかのように聴き入るファン。曲が進むにつれ、涙で頬を濡らす姿も。「大事に聴いてくれてありがとう。」Vo.昴が、想いを込めるようにはっきりとした声でお礼を述べた後「泣いてる暇なんかないぞ!」と続く『LILIA』へと繋げる。チェンバロとパイプオルガンの荘厳かつクラシカルな旋律が耳に残る楽曲とともに、舞い散るバラとステンドグラスの映像が別世界へと誘ってくれる。再びジェットスモークに包まれ、『RISK_144000』を披露。イントロからサビまでの畳み掛けるような展開かと思えば、ボーカルの切ない歌声をしっかりと聴かせてくれる不思議な楽曲だ。黙示録を題材にしたという、”144000″という数字も興味をそそる。デジタルロック、メタルなどの様々な要素を取り入れつつも、受け入れやく、新鮮なものとして変換させるRoyz。変化に富む楽曲と、刺激や驚きを与えてくれるバンドだ。

ライブリハーサルにて歌った『マジ感謝』で感情が入りすぎてメンバーみんなで号泣してしまったこと、順調に進んできているように見えてアウェイの

ライブは早くも終盤。段々と終わりが近づいているという実感が湧いてきたのだろう。号泣するファンに、Vo.昴が、Gt.和稀の脱退を発表した5月前半から今日まで、自分たちでも驚く程、普通の毎日を過ごしてきたこと、本当は嘘じゃないか、本当は悪い夢を見ているんじゃないかと感じていたことを語る。「今日ばっかりは、最後、終わったら思いっきり泣いてもいいから!ライブが終わるまでぐらいは、笑顔で満開にして、楽しく気持ちよく終わろうぜ!俺たちには笑顔が似合う、そうだよな!こっからラスト、突っ走っていこうぜ!」とラストへ向けて勢いをつける。会場のファンが、手でハートを作ってステージ煮向かって飛ばし、右手を斜め上に上げながら、ヘッドバンギングをする『JOKER』、”わっしょいわっしょい”の掛け声と、左右に揃ったモッシュを繰り広げる『恋花火』など、軽快で爽やかな楽曲で一気にラストスパート。迎えたラストソング、『still』では、緑のメッシュを入れ、緑のギターを持つGt.和稀を送るかのような、緑のペンライトの光、緑の映像演出、そして、天井からは銀と青のテープがきらきらと舞い落ちた。涙をこらえて泣き笑いのGt.和稀と、顔を覆い、涙を流し、声を漏らすファン。ラストはDr.智也の前にメンバーが集結し「愛してくれてありがとう!大好きだぜ、お前ら!俺たちとお前達でRoyz だーーーー!!!!!!ありがとう、BLITZ!
と締めくくり、ライブ本編は終了した。和稀は、深々とお辞儀をし、ステージを去っていった。

嗚咽混じりの長い”アンコール”コールの後、大歓声に包まれてRoyzメンバーが、パーカー、Tシャツ姿でステージに再登場。ここで、メンバー一人ずつが和稀へのメッセージを伝える。押さえきれず、涙声で照れながらも感謝を伝えたDr.智也。一番喧嘩をしたというBa.公大は、Gt.和稀との初対面で、すっぴんと化粧した時の差がありすぎて、2回も素通りしたエピソードを披露しつつ、”僕の人生の大切な人”と表現。同じギターの杙凪は、同じギター同士という事も合って、一番刺激があったと語った。Vo.昴は、和稀から母親が病気であること、家族を支える為に、Royzを退き、実家に戻ると告げられた時のこと、大きな夢を語り合った仲間であること、Gt.和稀脱退の発表後は、お酒を飲まずには寝られなかったこと、「夢やったら覚めたらいいのにな」と声を震わせる場面も。絶対泣かない、と決めていたVo.昴だったが、ついにはGt.和稀と抱擁を交わし涙。それでも持ち直し「これからも頑張っていきたいと思いますので、和稀の未来も、俺たちの未来も、応援してください!よろしくお願いします!」とファンに向けて言葉を投げかけた。
鳴り止まない、和稀コール。そんな中、和稀がファンに告げたのは、”たとえ、何年経っても、Royzの和稀としてステージに立つ事はない”、ということ。音楽業界が甘くないことや、数年後、前線で活躍するメンバーの元に易々と戻れるような、そんなバンドであって欲しくない、という彼の強い思いであり、残るメンバーへの叱咤激励ともとれる言葉だった。ファン、スタッフ、そしてメンバーに、在籍した5年間の感謝の言葉を述べ「これからもRoyz、ビジュアル系という音楽をよろしくお願いします!」と締めくくった。

翼をあしらったRoyzのロゴの通り、「まだ見ぬ未来に向かって羽ばたいていこうか!」とアンコールへ突入。ラストの『ACROSS WORLD』では、会場全体で手を繋ぎ、モッシュ、というまさに一体感と熱狂を味わえる、これぞ、Royzのライブ!という熱気の中、誰もが笑顔で和稀を送り出そうと、一つになっていた。大合唱をし、前後に手を精一杯振り、最後の力を出し切るファン。想像もしなかった盛り上がりを見せる。「ありがとうBLITZ!ありがとう和稀!こいつがいたこと一生忘れんな!ありがとうTOKYO!
と叫ぶVo.昴。会場からもありがとう、の声がやむ事なく、次々と上がる。メンバー、会場が手を繋ぎ、ジャンプ!そして、最後の最後には、「五年間、本当にありがとうございました!」と力の限り、叫んだGt.和稀。大きな決断をした若者が、苦悩しながらも、確固たる意志を持って進んで行く壮大なドラマを見た気がした。大歓声と、涙の渦の中、Gt.和稀の卒業ライブは大盛況のうちに幕を閉じた。

ライブ終了後、別れを惜しみ、フロアに溢れていたファンに取材を試みた。
誰もが口を揃えて、「Royzは生きがい!」と答えてくれたのは印象的だった。
「(Gt.和稀脱退後も)ライブに行きます!」と屈託のない笑顔で返すファンの姿は、笑顔=Royzを体現しているように思えた。ヴィジュアル全盛期に青春時代を過ごした筆者にとっては、カルチャーショックとも言うべき、パフォーマンスと熱気だった。ビジュアル系バンドでありながら、爽やかさとまっすぐさを兼ね備えた、唯一無二のバンドなのだ。楽曲のバラエティさだけでなく、生きがい、といわしめるカリスマ性と、いつでも頼れる、お兄ちゃん的な要素も魅力なのではないだろうか。
7/2の3rdアルバム【CORE】発売直後の7/3からは、アルバムを引っさげて、Royz 2014 SUMMER ONEMAN TOUR 【CRISIS CORE】が新宿BLAZE1から開始。ツアーファイナルの9/13(土)は、渋谷公会堂という大舞台が待っている。さらには、デビュー5周年を迎える9月には、9/28(日)Royz 5th Anniversary ONEMAN LIVE『5TH ELEMENTS+』が地元大阪、松下IMPホールで決定している。和稀はステージ上にはもういないが、5人の想いを詰め込んだ曲が、4人となった新生Royzを支えるだろう。思いを新たにした、彼らの今後の快進撃が楽しみだ。

[TEXT by RIE SUMI]
[PHOTOS by SOSHI SETANI]



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