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LIVE REPORT

Hoobastank

The Reason 15th Anniversary Japan Tour

2018.10.15 Mon at TOKYO LIQUIDROOM
open 18:00/start 19:00
NOISEMAKER

名盤の15周年記念ライヴで見せた
グループの健在ぶりと、次なる予感

2000年以降に台頭したメロディック・ハード・ロックの草分け的存在、Hoobastank(フーバスタンク)が約1年ぶりに来日公演を実施。彼らの人気を決定付けた名盤[The Reason]のリリース15周年を記念して、アルバム全曲をその収録順に披露するというスペシャルな公演[The Reason 15th Anniversary Japan Tour]を開催した。やはりファンならあのアルバムへの思い入れは強いはず。当時の熱狂的ファンが多数集結するのは予想されていたものの、意外にもオーディエンスの中には若い人たちの姿もけっこう目に付き、定期的に来日している彼らの人気の裾野の広さを伺わせた。

東京2デイズの初日のサポート・アクトは、北海道出身の4人組オルタナティヴ・バンドのNOISEMAKER。19時きっかりに登場すると、ヘヴィなサウンドとキャッチーなメロディを駆使して一気にオーディエンスを飲み込んでしまう。ヒップホップ的要素も随所に導入され、ワイルドなロック・サウンドと上手くミックス。終始ジャンプしては飛び回るヴォーカルのAGが会場全体を盛り上げていく。MCではフーバスタク愛もたっぷり披露。「俺たちはフーバスタンクのDNAが入ったバンド」「学生の頃から彼らのビデオをテープを擦り切れるほど観ていた」と語り、同じステージに立つ喜びをひしひしと伝えた。両グループのファンにとっても最高の取り合わせ。30分余りのステージだったが、会場を大いに盛り上げ温めてくれた。

約15分のブレイクを挟んで、20時少し前に主役のフーバスタンクは登場。閉じていた幕が左右に開かれると、ピン・スポットの中にヴォーカルのダグ(・ロブ)がひとり佇んでいる、という意外なスタートだ。リズム・ギターのみをバックにエモーショナルに『The First Of Me』を歌い、中盤からは他の3人のメンバーが合流。続けてフル・エナジーをぶつける『Same Direction』へと雪崩込み、ここからアルバム[The Reason]の再現ライヴへと突入した。左手にはドライヴ感抜群のギターを弾き鳴らすダン(・エストリン)、右手には豪快なベースをはじくジェシー(・チャーランド)、後方には破天荒にドラムを叩きまくるクリス(・ヘッス)が位置。その背後には、アルバム[The Reason]のジャケット写真が飾られている。アルバムの曲順通りに『Out Of Control』が次に演奏されるのは、皆が承知。イントロ前から自然と手拍子が沸き起こる。演奏が終わって、やっとひと息。ダグが「15周年記念のアルバム再現ライヴに来てくれてありがとう。心から感謝するよ」と挨拶すると、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。

セツナで感傷的な『What Happened To Us?』、パワフルな歌心でグイグイ引っ張りまくる『Escape』(ベースのジェシーのバック・ヴォーカルも効果的だ)、ステージ前方がケオティック状態となり、皆でシャウトした『Just One』など、バラエティに富んだ曲調が続く。今更ながらあのアルバムのユニークな多様性に驚かされる。そしていよいよお待ちかねの大ヒット曲『The Reason』の段になり、ダグが再びコメント。「15年前にアルバムを発表した時、まさかこんなに成功するとは予想もしていなかった。シングル・カットされたこの曲は多くの人々の人生を変えたし、それ以上に僕らの人生も大きく変えてくれた」と感慨深げに語り、こちらも胸にジーンと熱いものがこみ上げる。この曲のメロディの美しさや説得力に改めて聴き惚れながら、当時を思い出していた人も多いだろう。また、ひと際ワイルドな『Never There』では、演奏が終わった途端に会場から「うわぁ〜〜!」という感嘆の声が一斉に上がっていた。彼らとプロデューサーのハワード・ベンソン創造したメロディックでダイナミックなロック・サウンドの快感は今なお健在だ。ラスト・ナンバーの『Disappear』まで、一瞬たりとも色褪せて聴こえることはなかった。

鳴り止まぬ拍手と歓声の中、再びアンコールで登場した4人。ここからはファースト・アルバム[Hoobastank]と今年5月にリリースされた最新アルバム[Push Pull]からの5曲を披露。最新作からはディスコ・ビートを取り入れた『More Beautiful』などの新境地も垣間見せ、彼らが決して立ち止まらず、今なお現在進行形中のバンドであることを教えてくれる。約1時間半に及んだライヴは、いつものように『Crawling In The Dark』でフィニッシュ。ここぞとばかりに最後の盛り上がりを見せ、興奮は頂点に達した。あのアルバムを聴きまくった当時の記憶と共に、若かりし頃の瑞々しい感覚が呼び覚まされた人も多かったことだろう。身体の中からエネルギーが湧き出し、家路に着く足取りが軽かったのは筆者だけだろうか。

この東京公演は、世界ツアーの初日。「このツアーをスタートするのに東京ほど相応しい場所は他にないと思ったんだ」とダグは理由を説明していたが、このジャパン・ツアーの後には、アメリカでも同様の[The Reason 15th Anniversary Tour]を開催する。当初予定より公演数が追加され、規模もぐっと拡大。彼ら自身にとっても新たな起爆剤となるかもしれない。決して後ろ向きではなく、前向きなムードを感じさせる15周年記念ライヴだった。

[TEXT by HISASHI MURAKAMI]
[PHOTOS by YUUJI HONDA]


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