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LIVE REPORT

GO-BANG’S

Fairy Rock Summer

2016.07.31 sun at 六本木SuperDeluxe
open 16:00/start 17:00

GO-BANG’Sの進化するファンタジー!!
地下室を笑顔で照らす妖精たちの夏の宴!

 80年代終盤のバンドブーム時代に青春を謳歌した人にとっては、2013年のGO-BANG’S復活のニュースは衝撃的な吉報だったはず。時代を先取るような楽曲アプローチ、曲の洋楽的ニュアンスにキッチュさを加えるリズミックでカラフルな日本語詞、そしてVo.森若香織をはじめとしたメンバーのキュートなルックスは、当時のファッション・アイコンともなった。独自性の高い輝きを放ちながらも圧倒的にポップなその存在感は、ロック・シーンを飛び越え、多数の楽曲がCM等に起用されるなど、広く世の中に爪痕を残した。その解散から約20年を経て、森若香織の一人GO-BANG’S、さらにはサポート・バンドFAIRY ROCKが脇を固める形で復活が叶ったわけである。

 夕方とはいえ7月末日の日差しはその実力を十二分に発揮する。熱気の中そそり立つ六本木ビル群と焼け付くようなアスファルトから逃げるように、会場のSuperDeluxeへ踏み込むと、そこは地上の喧騒とは対照的に何やら妖しく不思議な地下空間だった。打ちっぱなしのコンクリート、静かに流れるトラッシュガレージ系のロックンロール、椅子席には40オーバーを中心とした紳士淑女がグラス(もちろんお酒)を片手に談笑している。イカした大人の秘密基地といった様相だ。当然のごとく当時を知るゴーバニスト(GO-BANG’Sファンの呼称)が多いわけだが、そこは大人である。開演時間を過ぎてもゆったりと、その時を待っているご様子。
 んが、SEが流れるや一斉に総立ち! FAIRY ROCKメンバーに続いて森若が入場するや大人の歓声! そのナイスなスイッチの入りように、未だ冷めない彼女の影響力をさっそく痛感させられる。そしてズ太く生々しいドラミングから放たれた一曲目は、昨年リリースした最新オリジナル・アルバム[FAIRY BRAIN](20年ぶり!)から『ラブリーダイナソー』、さらに2曲目も同じく最新作から『ロックロマンス』。懐メロ大会ではない、現在進行形GO-BANG’Sの堂々たる幕開けである。

 比較的シンプルなステージではあるのだが、ブルーとビビッドなピンクを配色したメンバーのコスチュームが最高の演出効果だ。全員が60’sテイストの衣装(すべてFAIRY ROCKメンバーWIKAが製作)に身を包み、そのスタリッシュな佇まいはパッとステージが華やぐ。そして、そのセンターで艶やかな声音を巧みに使い分け歌う森若、いやはや、さすがの存在感。ダンサブルなステージングは、手先・指先までもが細やかなパフォーマンスとなり、さらには目線の動きで感情を魅せていく。まるで演劇を観てるかのようなパフォーマンス。森若香織、健在!どころではない。表現においては進化と深化の到達点を見せつける。それでいて時の経過を忘れた美魔女っぷりと来たもんだ。
 そんな素敵なアーティスト森若香織だが、それに劣らず舌好調なMCコーナー(笑)。
「今日集まった皆さん、このご縁も全て妖精の仕業。それを言うと、いまいち伝わらない(笑)。GO-BANG’Sを楽しむっていうことは妖精頭脳ゲームでもあるんです。夏だから海に行こう! アイス食べよう! それは普通の人の考え方。ゴーバニスト的な考え方はですね……私が“海”である、という考え方なんです。自分が海である、そして自分がアイスである。アイスを買いに行ったけどなかった、ガッカリ、ということはないんです。なぜなら私がアイスだから。今日は夏の曲をいっぱいやります。だけどその曲の世界に行こう、じゃなくて、その曲自体が俺!っていうふうに聴いてください。今日のライブ中、ずっとそういうこと言いますよ(笑)」
 冒頭の2曲を終えたのち、早くもMCが止まらない(笑)。素の顔を惜しげもなく見せてしまう飾り気ゼロのMCで、会場とメンバーを大いに沸かせる。そのせいかもあってか、序盤は若干の緊張も見られたFAIRY ROCKメンバーだが、俄然伸びやかに、ステージを楽しみ始めたような印象も受ける。

 ラディック・ビスタライトを操り、ジョン・ボーナムよろしくの生々しさでボトムを支えるREIKO。時にキーボード、時にベースで、リズム・アンサンブルをタイトに構築するWIKA。そしてもう一人のキーボーディストCHIKAはヴァイオリンIZUMIと巧みに絡み、上モノのアンサンブルで楽曲をよりきらびやかに彩っていく。この日はステージ上ではなくPAブース横が定位置となったが、DJ HEMOはその音使いでGO-BANG’Sの独創性を押し広げ、コーラス&ダンスのCHIHOもファンタジックでポップな世界を盛り立てる。さらに会場のアチコチを踊り回り、時にステージ上で愛嬌のあるダンスを披露する妖精(8人目のメンバー)の存在も忘れてはならない。非常に変わった編成の現GO-BANG’Sのステージだが、それがGO-BANG’S。その世界観、ライブ音像の構築において、なんら不足もなければ過剰なものもないのだ。
 振り付けあり、森若×CHIHOとの掛け合いありで、GO-BANG’Sならではの楽しい要素がギュウ詰めの『アイスクリームマン』、レゲエ・アプローチの『アイ・アイ・アイ』、白のグレッチを掻き鳴らす森若の姿にシビレる『サーフィンサファイア』、ブルーグラス的ヴァイオリンがゴキゲンな最新アルバムからの『サンキューパンキュー』と、様々なサウンド・アプローチが目まぐるしく飛び出してくるビックリ箱状態のジュークボックス。オフィシャルの宣伝文句に偽りはなく、アセるほどにキャッチー、それでいて最高にポップで、最高にロックしているのだ。
 中盤では、定番となってるDJ HEMO 女神Xタイムもファンにとってのお楽しみ。DJ HEMOがGO-BANG’Sの楽曲をリアルタイムでミックスし、森若が歌を乗せていく。レア曲満載なのも嬉しい一幕だが、“森若さんは歌いっぱなしだなぁ~”とふと思う。しかしながら、とにかく彼女自身が楽しんでるのだ、あくまでもニュートラルに。う~む、演者としての器はなんだか別次元という感ですらある。
 名曲『素晴らしきデラックス』ではカッコイイ女性像に貫禄オーラを漂わせ、ガッチリ会場を沸かせたのちには、その無尽蔵のポジティブ・パワーの秘訣が伺えるようなMCも。
「まだまだ楽しい曲は続きます。GO-BANG’Sの役割は“楽しい”ことです。幸せの人が最強なんです。幸せになりたいとかじゃ弱い! 私が“幸せ”なんですって言われたら手の施しようがない(笑)。それをGO-BANG’Sは知ってるんです。そして知ってるだけじゃなくて、わざわざ歌にしてる。二度手間、三度手間かかって皆さんに届けてる(笑)」
 その流れからの甘酸っぱいガールズポップ風味な『JOY ENJOY』、メタル風ギター・ストロークにルーズに乗った言葉がビシビシ突き刺さる『Wheel of Fortune』。最新アルバム・ナンバーが随所に散りばめられているのも本作への自信の表れだろう。事実、非常にライブ映えのする、また攻めてる感も強いイカした曲揃いである。

 ライブは終盤へと向かう。終盤はもうコレでもか!の、往年の名曲畳み掛けである。こちらはSET LISTを参照してもらえば幸いだが、個人的には初期GO-BANG’Sの痛快ロックンロール『エレキ天国』で激アガリしつつ、『スペシャル・ボーイフレンド』でノスタルジックな気分にも浸りつつ。続く『無敵のビーナス』では力強く伸びやかなサビの声の迫力がスゴい。この終盤にきて、森若の声はなぜかさらに艶っぽさを増した印象も受ける。ここまでおよそ2時間、時が経つのも忘れて森若が具現化した幸せ感に完全に引きずり込まれていた。
 “We want GO-BANG’S!”の掛け声の中、ウクレレを手にアンコールに応えて森若が一人ステージに。森若ソロ時代の曲から『ドレン・チェリー』、作詞作曲と歌を担当した[NHKみんなのうた]の『大きな月』の2曲を弾き語りで披露し、素朴でハートウォームな音色が会場を包み込む。そしてアンビエントな要素も内包した幻想的な『Fairy Dance』では、改めてFAIRY ROCKの演奏性の高さ、さらには森若の作家としての多彩さを再認識させられた。
 そしていよいよオーラス。高らかに鳴り響くファンファーレ! もちろんあの曲、『あいにきて I・NEED・YOU!』で見事にGO-BANG’Sワールドを締めくくった。ステージ上の艶やかな6人はキラキラの笑顔、DJ HEMOと妖精も笑顔、オーディエンスも満面の笑顔である。大の大人が人目もはばからずこんなに笑顔になれる空間なんて、最高じゃないか。
 結局、トータル2時間半である。素直に驚いた。歌いっぱなし、踊りっぱなし、そして喋りっぱなしの森若香織(笑)。高度な妖精理論にハテナが飛び交う瞬間も無きにしもあらずではあったが、ここまで来ると信用するしかない。歌えば歌うほどに艶と美しさを増していく、まさしく美魔女な森若香織。なるほど、幸せな人は最強なのである。

PHOTO by YUJI HONDA
TEXT by GO NEMOTO



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