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LIVE REPORT

大冠祭2014〜メタル縛り〜

2014.09.23 tue at CLUB CITTA’
open 15:15 / start 16:00

全国のメタラーが集結!
日本初、でっかいジャパニーズ・メタルの祭典!
ついにその全貌が明らかに!

かつて、こんなイベントがあっただろうか?ジャンルを越えたフェスや、ライブが当たり前のように開催される昨今、あえて、”メタル縛り”という勝負に出たイベントが突如出現!9月23日(火・祝)、THE冠のフロントマン、冠 徹弥によるメタルに特化したイベント<大冠祭 2014〜メタル縛り〜>が、メタルの聖地CLUB CITTA’ で開催された。冠 徹弥と言えば、ベテラン・メタラーとしての顔だけでなく、劇団☆新感線での俳優活動、松山ケンイチ主演の映画『デトロイト・メタル・シティ』では、ヨハネ・クラウザーⅡ世の歌のアテレコを担当するなど、多岐に渡り才能を爆発させている男である。
そんな男が企画したこのイベント。「メタルにだって、色んな顔があるんだ!
と世に知らしめるため、老若男女入り乱れたジャパニーズ・メタルバンドを集結させた。メタルは、ハードロックの延長線上にある音楽ジャンルのひとつ。メタルに特化することによって、メタルを多角的に掘り下げるという挑戦に打って出たのである。

開場前から長蛇の列。開場と同時に準備運動とばかりにDJ狂犬による、メタルメドレーでステージに押し寄せる観客を迎える。1300というキャパの会場が、みるみるうちに埋まって行く。開場入り口付近には、物販コーナーと共に、メタルの神様たちのTシャツ”冠 普段着コレクション 2014秋”や、神様たちのレコードコレクションが並ぶ。そして、冠 徹弥の顔出しパネルもお出迎え。
まだ太陽が高い、15:30。最強の布陣で迎えた祭りがついに幕を開ける!

Laxity (opening act / ナニワのぽっぷんめたりーも)

タオルを掲げ、意気揚々とLaxity登場!!悪の大王とのたまうVo. Booやんは、Tシャツに青い短パンで、あの国民的人気キャラクター、ネコ型ロボットを彷彿とさせる謎の出で立ち。さらに、メタボなお腹が超キュートという、大変愛くるしい容姿。とにかく色々ツッコミどころ満載で気になって仕方ないのだが、そんなことはどうでもいい。これもメタルなのか!と思わせる、メタルならではの重厚さと、軽やかでポップなサウンドの融合、見事なステージングは鳥肌もの。カッコいいのである。オープニングナンバーの『METEO:LA』では、いきなり拳を突き上げ、息の合った掛け合いを繰り広げる。メタルファン達は、こんな世界を知っていたのか。と少し嫉妬をしてしまう。サークルモッシュをねだるBooやんの期待に応え、戦闘開始のメタラー達。メタル初心者でもすんなりととけ込めるLaxityワールドは、確実にメタルファンを増やしていきそうだ。ライブをやりきった後、必死に、「座れー!
と会場に指示を出すBooやん、素直に従い腰をおろす観客を尻目に、バンドメンバーだけが、素知らぬ顔で颯爽とステージを去り、Booやんは悔し涙とともにはけていく、、という茶番笑 が繰り広げられ、取り残された観客は大盛り上がり。衝撃的なオープニングアクトで、見事に観客をメタル地獄へと誘った。

開会宣言

大歓声に包まれ、自前の白のタキシードで現れたのは、祭りの長、冠 徹弥!早速、自慢のハイトーンでご挨拶。「ひとつだけ気になること言っていい?このズボン、、股上めっちゃ長い!!」と畳み掛けるように冠節をぶちこみ、会場を笑いの渦に巻き込む。「本日、日本の最高峰のヘヴィメタルがブチかましあうだけ!そしてお前らは応えるだけ!それだけです!いいかお前ら!」とアツく叫んだ直後は「こんなにメタラーっていたのー!(ハート)」とツンデレ感満載の声色。本当にメタラーなのか。と疑う程、トークのキレは抜群。そして、耳元で囁かれたいかもしれない、ナイスボイスの持ち主。自分の顔出しパネルが作成でき夢が叶ったと喜んだ後は、一転、「用意は良いか川崎!暴れる準備できとるか!ヘヴィメタルは好きか!大冠祭り2014 開催致しまうぉ〜〜〜!!!!!!」と開会ハイトーン。
メタルに対する愛、今回の祭に掛ける想いを語る冠のVTRが流れ、いよいよ今回のイベントの紅一点、Aldiousの登場!

Aldious

沸き上がるAldiousコールと拍手の中、美しすぎるガールズ・メタル・バンド、Aldiosが登場!青やピンク、紫の煌びやかなドレス姿が印象的だ。4枚目のアルバム<Dazed and Delight>(2014年6月リリース)からの楽曲を中心に、バンド名の由来でもあり、デビューシングルの収録曲「Ultimate Melodious」(意味:究極の旋律)を含む全6曲を披露。『Dominator』では、イントロのアグレッシブなドラムと正統派のメタリックなサウンド、そしてVo. Re:NOの伸びのあるエモーショナルな歌声が相まって、叙情的な雰囲気を漂わせ、観客を魅了していく。声の伸ばし方ひとつとっても、オリジナリティが垣間見えるRe:NOの歌声は、重たいヘヴィメタサウンドに見事にマッチしている。観客もヘドバン、メロイック・サインで応戦!演奏中は、Gt.トキの霧吹きパフォーマンスも見られ、さらに会場の熱を上げて行く。個人的に、こんなにヘドバンを美しいと思ったのは初めてだ。髪さばきとでも言うのだろうか。前後左右と頭を振ると、いうか、操る姿は、見事である。メンバー全員が、魅せ方、を知っているのだろう。MCでは、ヘドバン隊長Gt.トキが「最高の夜にしようぜ、と言いたい所ですが、まだ16時ぐらいや。」とまだまだ先が長いぞ!と会場を鼓舞する。OUTRAGEとのツーマンライブも発表。彼女達は上昇気流のまっただ中だ。ヘドバンに始まり、ヘドバンに終わる。激しいのは、ちょっと、、という方でも、彼女達のステージを見たら考えが変わるかも!?紅一点、期待を裏切らない完成度の高いパフォーマンスを見せたAldiousのステージは、大歓声の中幕が下りた。曲間に、「ありがとう」と控えめに発するふとした声で、素のRe:NOを垣間みたような気がする。丁寧にお辞儀をする姿にも、ファンに対する愛を感じた。

NoGoD

NoGodのロゴが配されたお立ち台に、白塗りのVo.団長が君臨。オープニングチューン『神風』では、早々に会場との一体感を見せつけその人気の高さを伺わせる。メタルからポップスまで幅広いジャンルを融合した楽曲を手がけ、メタルという括りの中では、今までのイメージを覆す新しいタイプのバンドである。Vo.団長が「冠 徹弥の正当後継者、団長でございます!」と挨拶し「奇抜な出で立ちしてますから、人によってはヴィジュアル系だと言われますけど、そんなことはどうでも構いません!俺たちがやってるサウンドは、聴いてわかっただろ!ヘヴィメタル、yeah!!お前らは、音楽がかっこ良ければ差別なんてしないよね?!」と叫び、更に「先輩達が絶やさなかった(メタルの)火を、俺たちが受け継いでいかないといけないでしょうよ!その火をもっともっとでっかい炎に変えて、日本を燃えつくそうぜ!」と続け、会場のボルテージを確実に上げて行く。メタルファンなら誰もが食いつく、これぞメタル!というギターソロをGt. Kyrieが披露し、団長のハイトーンを合図にヘドバン祭りがスタート!ニュー・アルバム<Make A New World>からは、『Follow』『EZ L1F3』を披露、スピード感のある楽曲と重たく地を這うような楽曲を織り交ぜ、始終飽きさせない構成に舌を巻く。ラストソング『敬虔』では、メタルに乗って♪ヨイヤッサ、と祭りを盛り上げる掛け声が繰り出される。鳴り止まぬ歓声の中、見事にSEX MACHINEGUNSへとバトンをつないだ。実際にライブに行くべきだ。彼らの個々スキルの高さと観客を惹き付ける持ち札の多さ、その独特の世界観にノックアウトされるだろう。そして、弁の立つ、団長のトークも見逃せない!メタルってこんなのもあるの?と胸のワクワクが止まらない。目から鱗続きで、長丁場ということも忘れて、食い入るように見ている自分がいた。

SEX MACHINEGUNS

登場前から、拳を上げて今か今かと待つ会場。ステージに走って現れる、SEX MACHINEGUNSの3人!ヘドバンからスタートしたオープニングチューンは、代表曲『みかんのうた』!1曲目から、Vo/Gt. ANCHANGとBa. SHINGO☆が一糸乱れぬパフォーマンスを見せてくれる。途中、ギターで冠 徹弥も参戦!続けて、”あんたはオニや〜”の掛け声や”オニ、オニ、オニ”のコーラスが印象的な『ONIGUNSOW』を披露。世界最速と言わしめたその速さにもガッチリついてくる、会場との一体感もさすがと言わざるを得ない。「ヘヴィメタルか〜!ヘヴィメタルなのか〜!!」というANCHANGの問いに、野太い熱のこもった歓声で応える観客。「いらっしゃ〜い」とスマイル全開のANCHANGだったが、お待ちかねのMCでは、「若干緊張しているぞう〜、、先輩が2つもおるからや〜!」と弱音を吐く。そして「大冠祭りです!なのにこんなに、、たくさんの人がいて笑、、、びっくりですよ。」と仲がいいからこそ言えるざっくばらんなコメントを繰り出し、会場の笑いをさらう。ヘヴィメタルの現状を憂いつつも「こっからヘヴィメタルを盛り上げていったらええねん!」とアツく語るANCHANG。一方、SHINGO☆は、「今日、こん中にメタル知らんヤツおるやろ〜!1人ぐらい、、、、おったーーー!!!!本当におった。」とはしゃぎ「SEX MACHINEGUNS入った時、言ってしまったよ、メタリカって知ってる?って!」とかつてのメタル初心者だった自分を振り返り、会場を大爆笑の渦に巻き込む。メタルを愛し、真剣に音楽をやっているというANCHANG。「面白いなあと思ったら、コイツら頑張ってるなあとおもったら、優しくしてね(ハート)」と甘える一面も。サポートギター、SUSSYと、新加入したDr. LEONの紹介を挟み、怒濤の疾走チューン祭りへ突入。めちゃくちゃガチなメタルサウンドにユーモラスな歌詞を乗せ、一気に駆け抜ける。若かりし頃は、とんでもなく面白いバンドがいるんだなと笑っていたが、ふざけた歌詞と思うなかれ。歌詞の深さを味わった時、リアルでまっすぐなメッセージがガンガン伝わってくるのである。初心者はまず度肝を抜かれて笑うところから始め、メタラーとなった暁には、歌詞の深さをも味わうことをお勧めする。ラストは、センターで演奏していたSHINGO☆がダイブ!!うごめく会場と突き上がる拳、ヒートアップした観客の熱を先輩バンドに繋ぐべく、3人は疾風のごとく、ステージを去った。

続くMCタイムでは、Tシャツ姿の冠 徹弥 (THE冠)、団長(NoGoD)そしてANCHANG(SEX MACHINEGUNS)がステージに立つ。 ANCHANGのパンツのチャックが開いているという予想外の事態に「チャック丸出しー!!」と嬉しそうな冠。「ヘヴィメタルやで〜!」と焦るANCHANG。そして、今年も行われるSEX MACHINEGUNSとTHE冠によるツーマンライブ<SEX冠>全国ツアーの話題へ移ると、会場から歓声が沸く。「もっかい見たいな、と思う心の広い方がおれば笑
と腰の低いコメントをすかさず繰り出すANCHANG。
更に、スタッフのサプライズで、冠 徹弥の両親からのビデオレターが公開され、「まだ(ヘヴィメタル)続けるの?」という母親のコメントに大爆笑の会場。両親の心境を察してか、嫁候補を随時募集しているという冠の為に、団長が会場に向けて声を上げると、応えたのはなんと男性ばかりというオチ笑 そんな状況にもめげず、冠が「ヘドバンするも良し、拳を突き上げるもよし、モッシュするも良し、ダイブするも良し、ウォール・オブ・デスをするも良しですよ!!!!!暴れろ!」と煽ると「ウオー!!!!」と一気にヒートアップする会場。充分にエナジーチャージをしたところでいよいよあの大物バンド、OUTRAGEの幕が開く!

OUTRAGE

いよいよ、後半戦に突入!『Immigrant Song』(Karen O, Trent Reznor)を入場曲に、メタル界の重鎮、OUTRAGEが登場!かつて、PANTERAのオープニングアクトを務め、海外リリースをするなど世界水準のクオリティに多くのメタラーが衝撃を受けた、伝説のスラッシュメタルバンドである。
Vo.橋本が「I love you all!!」と叫び、まずは、95年にリリースされた名曲揃いのアルバム<LIFE UNTIL DEAF>のオープニングチューン『Megalomania』を披露。スピード感のある極悪非道なサウンドをお見舞いするやいなや、観客は早速サークルモッシュを始め、拳は上がりっ放し、ダイブしっ放し、テンションはMAX!!雷鳴が轟くような極上のドラムのリズムが秀逸な『WINGS』、スラッシュ・メタルファン必聴、そして、OUTRAGE初心者も聴いておくべきベスト盤<DAYS OF RAGE 1986〜1991>にも収録されている『THE DAY OF RAGE』などを続けざまに披露。文句なしにカッコいい。オトナのメタル。
MCでは、冠への感謝、そして、来年あたり何かしらの動きがあるとの朗報もあり、会場も色めき立つ。そんな中、冠がステージへ!先輩を目の前に緊張を隠せない冠に、Vo.橋本が、「冠の被っている鉄兜は、鉄工所の友人が作成したっていうホンモノの鉃なんだよ」と裏話をしつつ、和ませる。かつて、冠はOUTRAGEとの共演のチャンスをフイにし、長年リベンジの機会を伺っていた。そして、ついに今日、冠の夢が叶う時が来たのである!因縁の曲『MY FINAL DAY』を共に歌い、ダイブし、全力疾走!顔を覆い、感無量の冠。メンバーと握手を交わし、夢の舞台を降りた。冠が去った後も、圧巻のパフォーマンスと、抜群に一体感のある掛け合いで観客の心を鷲掴み、メタル界を牽引してきたその実力を証明した。

人間椅子

澄み切った持鈴の音が鳴り響く、幻想的な『此岸御詠歌』に乗って、和装に身を包んだ人間椅子が登場!白塗り、白装束の上にシースルーの黒の袈裟を着用したBa/Vo.鈴木の存在感が不気味さを加速させる。”文芸ロック”と称された人間椅子は、今年でバンド生活25周年。近年、若者の支持を集め、ももいろクローバーZヘの楽曲提供を行うなど、じわじわと人気が再燃している。Gt/Vo.和嶋のギターが唸る、名曲『相克の家』から始まり、今年6月にリリースされた最新アルバム『無頼豊穣(ぶらいほうじょう)』から『なまはげ』『迷信』などを一気に披露すると、観客は拳を突き上げうごめく。おどろおどろしいサウンドでありつつも、独自の解釈で和のテイストを落とし込んだ摩訶不思議な世界観は、クセになること必至。MCでは、幼なじみの和嶋と鈴木が息の合ったトークを繰り広げる。バンドを長持ちさせる秘訣は、「お互いを尊重すること」といい、”褒め合う芸風”を披露、会場を盛り上げる。演奏とは対極の人間愛に溢れ、おどけた雰囲気に頬が緩む。2015年1月24日、渋谷公会堂でのワンマン<現世は夢〜バンド生活二十五年>の開催もアナウンスされ、会場の熱量もピークを迎えたラストでは、ヘヴィメタルバンドに多大な影響を与えた、Budgie(バッジー)の『BREADFUN (ブレッドファン)』に、和嶋がオリジナルの歌詞をつけたカバー『針の山』のイントロが流れるやいなや、割れんばかりの歓声に包まれる。草履を脱ぎ捨て、ステージを軽やかに動き回る和嶋、裸でドラムを乱れ打つDr.ナカジマ、モッシュで応える観客。まさに、地獄絵図。極太サウンドでの疾走感がたまらない。MCも、演奏もあうんの呼吸。3人で手を取り合い、観客にお辞儀をして去って行く姿にははっとするものがあり、貫禄を見せつけつつ、ベテランの懐の深さも感じた。

2大巨頭の戦を終え、会場の熱は急上昇、既に5時間以上に渡るライブにも関わらず、会場はすし詰め状態。そんな中、会場に足を運べなかったというヘヴィメタル好きなお笑い芸人、レイザーラモンRGからの、”あるある”ビデオレターが流れる。ざわつく会場笑 、そしてついに、満を持して、あの男の登場である!

THE 冠

カラスの鳴き声と雷雨の音、真っ赤な照明のもとへ、のそのそとバンドメンバーがステージへ上がる。ゲストギターには、K-A-Z(SADS)が参戦!そして、待ってました!鉄兜に甲冑コスチュームをの鋼鉄戦士、Vo.冠 徹弥が登場!「わかってるやろ!お前らが好きなあれや〜!」と会場を左右に二分させ、「いけ〜!」の合図で戦闘開始!いざ戦!とばかりに体を激突させる観客。のっけから、ハードです。まずは『帰ってきたヘビーメタル』で、会場をブチ上げる。歌唱力の高さは、ライブでも健在。兜を脱ぎ捨てる冠、まだそんなに暴れられるの?とばかりに拳を高らかに上げ、日頃の鬱憤を晴らすかのように盛り上がる観客。「どうもお待たせ致しました!THE冠だ!!」「最高に楽しい時間をありがとうございます!」と感謝を述べつつ、今日のイベントの入りが朝8時だったことを告げ、「43歳、12時間以上やっとんねん!でもここはここでお前らとのやり合いやないか!何も悔いのないように今日という日を過ごさんかい!その為の大冠祭りや!やれんのか!燃えてんのか!かかってこい!」と観客を煽りまくりる。厄から抜けたばかりの、43歳、お察し致します笑 更に、マイクを四方八方に異動させたり、ぐるぐると回転させるお決まりの人口音声エフェクトコーナーで、笑いブロックへ。THE冠のライブと言えば、クオリティの高いヘヴィメタルを堪能できることはいわずもがな、絶妙なバランスで投入される笑いの要素が多くのファンを獲得する要因となっている。初心者でも楽しめてしまう、エンターテインメント性に富んだステージを見ると、本当にこの男は器用なんだな、、と計算し尽くされたパフォーマンスに尊敬の念を抱く。そしてこれもお決まりの、浪花の人情劇場コーナーへ。「アンタさっき、楽屋で嘔吐くぐらい緊張してたやろ。」と自虐ネタを披露したり、大先輩OUTRAGEとの20年越しの共演後のバックステージで「(OUTRAGEの)メンバーに、こんな人柄がにじみ出たイベントで最高やった、って言われて泣いたんやで。」とヘヴィメタルには似つかわしくない人間らしい部分をさらけ出し、会場をぐいぐいと冠ペースへ引き込んでいく。甲冑も脱ぎ捨て、お尻をぷりぷりと観客に向け、会場とともに左右にステップを踏む『中3インマイドリームス』、エアーギターを始める人、モッシュはエンドレス、冠もダイブ、そのパワーに続こうと拳を突き上げる観客、もはや恥ずかしがりやのメタラーさえも飲み込まれていく凄まじい盛り上がりである。ラストソング『傷だらけのヘビーメタル』では、終宴を惜しむかのように、力の限り拳を突き上げる観客、そして、息も絶え絶え、長いハイトーンを一発決めた冠は、肩で息をし、支えられながら舞台袖へと消え、6時間にも及ぶ祭りの本編は終了した。

アンコール

ガッツポーズで応えたアンコールは、もはや定番となった『担がれた冠』。祭りの終宴にふさわしく、両手のひらを天井へ掲げ、まるで阿波踊りのようである。『みなさんには本当に申し訳ないんですが、今日一番楽しんだの、僕です!』と嬉しそうに語る冠。出演したヘヴィメタの精鋭たちに感謝の言葉を投げかけ、お礼のお辞儀をしたと見せかけてのヘドバン、止まらない会場のヘドバン具合を見た冠は「お礼をしたいのは俺のほう」と戯けてみせ、笑いを誘う。バンドメンバーと、バンド演奏の合間、新旧ヘヴィメタルを織り交ぜたプレイで会場を大いに盛り上げ、会場の熱を保ち続けたDJ狂犬とDJ増田 勇一を紹介後「ありがとう!」のハイトーンを決め、鳴り止まぬ歓声を浴びながら、大成功のうちに祭りの幕は降りた。

ステージが空になった後は、スクリーンに情熱○陸風の冠 徹弥の映像が映し出される。見送るスタッフ、小さくなる冠が向かった先は、、、、、あらぬ店。というオチつきで会場を沸かせる。そして!<大冠祭2015>の開催が発表され、会場は今日最後の雄叫びを上げた。

壁を越えてみたら、そこには思いもよらない新しいメタルの世界が広がっていた。改めてメタルというジャンルは、想像以上に彩り豊かであり、これから盛り上がっていくシーンなのだという可能性をビシバシ感じたイベントだった。6時間強という時間があっという間に感じる程、ひとバンド毎に個性があり、尚かつサウンドが被らない。メタルファンでなくとも楽しめる引き出しの多さは、是非、体感していただきたい。冠 徹弥の挑戦は、見事に成功したと言っていいだろう。超満員の会場を見ても一目瞭然だ。第2回目となる<大冠祭2015>の更なる飛躍が今から楽しみでならない。今回参加した精鋭たちの動向も要チェックだ。THE 冠は、11月1日(土)から、SEX MACHINEGUNSとの全国12都市でのカップリングツアー<SEX冠2014>を控えている。ツアー直前の10月29日には、SEX MACHINEGUNSのニューアルバム(タイトル未定)もリリース予定だ。体感するなら今!今年も後半戦、メタル畑から目が離せない!

[TEXT by Rie Sumi]
[PHOTOS by Honda Yuji, Tsuzie Jackie]



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