清木場俊介
ROCK&SOUL 2010-2011
2011.04.24sun日本武道館
Open 17:00 / Start 18:00
元EXILE云々といった飾り文句はもはや不要だろう。春風吹く4月末の日本武道館に立つ清木場俊介の姿はシンガーという形容より、アーティストという呼び名が似合う、実に堂に入ったものであった。それもそのはず、今回の『ROCK AND SOUL TOUR 2010-2011』では、この武道館公演までに20箇所以上のライブをこなしてきたのだ。そして、本人にとって3度目となるライブ・アット・日本武道館。2デイズの最終日に潜入した。
アルバム『ROCK & SOUL』を引っ提げ敢行された本ツアー。本来であれば東京公演は3月に執り行われるはずであったが、東北太平洋沖地震の影響により延期。ファンにとっては待ち望んだライブだったことだろう。ほぼ定時に開演、新作の冒頭を飾るナンバー“魔法の言葉”から駆け出したステージは序盤からボルテージを上げ、そのままアルバムの人気曲“FLASH BACK”になだれ込む。清木場、計9名のバンドメンバーともに良好なコンディションと連帯感を感じさせる演奏である。その後も新作収録曲を余すとこなく披露、自身のアコギが響く“風に唄えば…”や、ブルースハープを携えた“プロポーズ”などで会場を緩やかなムードで包み込んだ。バンド・メンバーの紹介を挟んでライブは後半戦に突入。“JET”や“俺だけのハイウェイ”など、アップテンポで攻撃的な楽曲を取り揃えたセットリストで観客の興奮を誘う。ステージ上を駆け回る清木場の顔も精悍かつ凛々しさを増して、まさにいちアーティストとしての表情を見せる。“終わりなき旅路の中で…”で終えた本編後もオーディエンスの清木場コールは鳴りやまず、ほどなくしてアンコールの幕が開く。なかでも印象的であったのが、会場の中央ステージで清木場が弾き語りで披露した“忘れないで”。歌詞中の“忘れないで/僕がここに居ることを/忘れないで/精一杯に唄うから”という一節はそのまま今回のツアー、ひいては彼の音楽が伝えるメッセージそのものであるように思う。最後に「30歳を迎えて歌の大切さや、音楽家としての責任をより感じるようになった。これからも音楽で自分にできることを探究していきたい」と語り、ラスト・ナンバー“今。”を演奏。観客の声援と拍手に包まれ、本公演は大団円を迎えた。振り返ればツアー・タイトル通り、清木場俊介のロックな側面と熱いソウルが凝縮された2時間半のライブ。この模様は、6月に全国のツアーの様子を纏めたライブCDとして、7月に今回の武道館ライブを収めたライブDVDとして発売される。