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LIVE REPORT

KIRIN 淡麗極上〈生〉presents

THE GIPSY KINGS

featuring Nicolas Reyes and Tonino Baliardo Japan Tour 2015

2015.10.27 tue at 東京Bunkamuraオーチャードホール
open 18:00 / start 19:00

情熱と哀愁のジプシー・キングス 14年ぶりの来日公演大盛況!
誰もが踊り出すハッピーサウンドの秘密とは?

 10月27日、東京 Bunkamuraオーチャードホールで【KIRIN 淡麗極上〈生〉presents
THE GIPSY KINGS featuring Nicolas Reyes and Tonino Baliardo Japan Tour 2015
】東京公演2日目が行われた。
 アルバム・セールス累計2000万という驚異的な数字を記録し、グラミー賞の大ヒットメーカーでもあるジプシー・キングス。ピカソやチャップリンなど多くの芸術家や著名人のファンを持ち、日本では、KIRINの発泡酒 淡麗〈生〉のCMソングに起用されて以来、もはや、聴いたことがないという人はいないのではないかと言うほどの圧倒的な存在感を誇っている。そんな彼らの14年ぶりの来日とあって、この機会を逃すまいと今日の日を心待ちにしていた観客で会場は満員御礼。お洒落なスーツにハット姿の紳士や品のいいご夫婦など落ち着いた年代が多く、開演前にはホール内のビュッフェでゆったり過ごすといった、優雅なライブの楽しみ方を満喫している。音を堪能するにはうってつけのオーチャードホール。期待が高まる。

 異国情緒溢れるパーカッションのリズムに乗せてジプシー・キングスが登場!Bernard Paganotti(Bass)が「Bon soir!コンバンハ、トーキョー!!」と挨拶し、明るく軽快な『A TI A TI』からスタート。Nicolas Reyes(Lead Vocal / Guitar) の小刻みな手拍子、フラメンコギターとスパニッシュ・ヴォーカルの伝統的なオリジナルサウンドが、観客をジプシー・キングスの世界へと誘う。1988年のデビュー作として名高いアルバム【Gipsy Kings】に収録され、日本ではCMソングとしてお茶の間の知る所となった『DJOBI, DJOBA』、テレビ番組 タモリ倶楽部の”空耳アワー”で、第1回空耳アワードに選ばれた『BEM BEM MARIA』も披露され、序盤から盛大な歓声と手拍子で大盛り上がりの観客。Nicolas とTonino Baliardo(Lead Guitar)が歌とギターで代わる代わる観客を盛り上げ、息子たち(Jose Reyes、Yohan Reyes)もメインボーカルを務めつつがっちりと脇を固める。笑顔でアイコンタクトをしながら、本当に楽しそうに演奏するメンバーにこちらも笑みが溢れる。フラメンコ、ルンバ、サルサを融合したポップサウンドは、誰もが幸せになる要素に満ちている。合間にバンド同士の掛け声(ハレオ)や観客席から「オレ!」の威勢のいい声が響くと、まるで南仏やスペインにいるような気分だ。

 中盤は、スローダウンして哀愁タイムへ。青や紫といったしっとりとした照明の中、観客に捧げる歌として『LA DONA』、壮大な景色が思い起こされる美しい調べの名曲『LA MONTANA』などをNicolasが情緒たっぷりに歌い上げる。その声に没入し、聴き入る観客。Nicolasの声にはこの瞬間が急に美しく感じるような、はっとする力強さがある。Nicolasはかつて「どこにいても、いつも心から愛を込めて世界に歌を届けたいと思っているんだ。」と語っている。その真っ直ぐな想いが、人々を惹きつける歌声に繋がっているのではないだろうか。イントロと同時に拍手が上がった、時代劇 ”鬼平犯科帳 ”エンディング・テーマ『INSPIRATION』では、Toninoの絶妙な哀愁の旋律とバックバンドとの見事なアンサンブルに、会場はハレオと指笛、拍手の嵐で埋め尽くされた。

 ゆったりとした気分を味わった後は、再び軽快な『SAMBA SAMBA』を投入。ラストへ向けて会場の熱気は急上昇!何本ものフラメンコギターが常に刻むリズムが更に気分を高揚させる。ステージだけでなく、観客席にもオレンジや黄色の照明の光が差し、会場全体が太陽が降り注ぐパーティー会場へと変貌!会場の手拍子は途切れること無く盛り上がりも最高潮に!底抜けに明るいブラジリアン・フラメンコ『LA QUIERO』では、バンドメンバーがスタンディングを促すと、観客は総立ちになり踊り出すほど熱狂の渦に包まれた。惜しみない称賛の拍手、指笛が鳴り響く中、ラストは往年の名曲『BAMBOLEO』で一気に駆け抜け、ライブ本編は終了した。

 間髪入れずに沸き起こったアンコールに応え、再びメンバーがステージへ。
観客席からの「もっとー!」というおねだりの声も。これを聽かないと帰れない!歌い出しから待ってましたとばかりに大歓声の観客。Nicolas渾身の『VOLARE』が会場に響き渡る。観客と一体となって大合唱となり、この日一番の盛り上がりを見せた。バンドメンバーが去った後は、Nicolasがフランク・シナトラのカバーソング『A MI MANERA(MY WAY)』をアカペラで歌い切り「Gracias!」の言葉とともにステージを降りた。鳴り止まぬ歓声と拍手の中、14年ぶりの来日公演は大盛況のうちに終了した。全19曲。時を忘れた2時間だった。

 ワールド・ミュージックの先駆者と言われる彼らは、様々なジャンルを飛び越え、もはやジプシー・キングスという独自のジャンルを築いている。2013年にメジャーデビュー25周年を迎え、円熟味を増した彼らだが、これからもまだまだ私達を楽しませてくれる!と思わずにはいられなかった。代々受け継がれていく、ジプシー・キングスの音楽への情熱と愛情をひしひしと感じたステージだったからだ。どっしりとした風格といぶし銀の歌声の父親と、エネルギッシュな歌と音を伝える若き後継者。レイエス家とバリアルド家を中心とし、親から子へと脈々と受け継がれた”ジプシー・キングス”というアイデンティティが息づくバンドは、これからも世界を駆けまわり、遺産ともいうべき音楽の情熱と愛を伝えてくれるだろう。誰もが文句なしに楽しめて踊りだしてしまうサウンドは、家族という最も身近な愛を感じ、音楽を通してそれをシェアするという素晴らしい循環にあるのだと思う。

 来日を記念して、2015年10月21日には、キャリアを集大成した大ヒット曲満載の2枚組のベスト盤【Essential Gipsy Kings】がリリースされたばかり。Gipsy Kingsの愛に溢れたハッピーサウンドを是非味わって欲しい。

TEXT by RIE SUMI]
[PHOTO by SOSHI SETANI ]



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