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LIVE REPORT

私立恵比寿中学

年忘れ大学芸会 ~エビ中のジャングル大冒険~

2012.12.15 sat at 中野サンプラザ
open 16:00 / start 17:00

King of 学芸会・私立恵比寿中学、聖地・中野で『ジャングル大冒険』!

昨年5月にメジャーデビューを果たし、着実に成長を続ける私立恵比寿中学の2012年の集大成ともいえるワンマンライブ「年忘れ大学芸会『ジャングル大冒 険』」が12月15日、東京•中野サンプラザで開催された。

開演前の会場にはBGMとして”校長”こと藤井マネージャーが歌う槇原敬之の「冬が始まるよ」が流れ、それに気付いたファンからざわつきや笑いが起こる。 過去最大規模のライブではあるが、いつも通りのエビ中らしい、ゆるくて和やかな空気が流れていた。

おなじみのオープニング「ebiture」で9人が登場すると、タオルを振り回しながら歌う「揚げろ!エビフライ」で一曲目から会場を一気に盛り上げ、ライブはスタート。
冒頭のMC、それぞれの自己紹介を終え次の曲へ入ろうとすると、突然「ステージに穴がある」と言い出す柏木ひなた。3段になったステージの最上階に、どうやら穴が空いている、らしい。怖がるメンバーをよそに、鈴木裕乃が「鈴木、いきまーす!」と勢いよく穴に飛び込み、驚きながらも他のメンバーもそれに続く。
全員が穴へ入ると、どこかのアニメで見覚えのあるようなタイムマシンに乗る9人がスクリーンに映し出される。この映像がまたとにかくゆるい。ゆるすぎる。
再び明転すると、ステージがジャングルへと変わっていた。そう、ここからライブタイトルでもある「ジャングル大冒険」が始まるのだ。

探検隊をイメージしたピンクの可愛らしい衣装で登場した9人。彷徨う彼女たちのもとに飛んできた九官鳥が言うには「ここはアイドル原始時代。」という設定らしい。「君たちのような子は丸焼きにされて食われちまうよ」と話す鳥に反論するかのように9人は歌い出し、メジャーデビューシ ングル「仮契約のシンデレラ」や、新曲「梅」で会場を沸かせた。

ジャングルに住む原始人に取り囲まれ、逃げ回るメンバー達。オモチャのヘビを首に巻き逃げる松野莉奈に、遊園地のパンダの乗り物で移動する廣田あいか。ここでもエビ中お得意の悪ふざけ(褒め言葉)が随所に散りばめられている。

そしてステージに残った松野と柏木が、DJタミフルと共に「そろそろくるぞ」を歌い出す。青年館のライブで結成されたトリオ•ザ•インフルエンザによる、 仲良し凸凹コンビの掛け合いが可愛い新曲だ。
ここからユニットの新曲が続く。瑞季&廣田は少し大人な雰囲気の「Kindness」、杏野なつ&星名美怜はヤカンを持ちカップ焼きそばについて歌う、ピンクレディを想像せずにはいられない80年代風の「for you」、宙吊りのブランコに乗り鈴木&安本彩花が爽やかに歌う「たそがれシアター」、真山りかとダンディ井上によるスウィングジャズ「老醜ブレイカー」 と、どれもそれぞれのキャラクターに合った良曲揃いだった。
さらに全員での新曲「パクチー」も初披露。こちらは力強いダンスが印象的な、かっこいいナンバーだ。

歌とダンスで原始人達を圧倒させたエビ中の前に、今度は校長似の石像が現れる。無関心地蔵という名の石像の心を揺さぶるべく、そしてライブのラストスパートを盛り上げるべく、ここで一気に4曲をパフォーマンス。「Go!Go!Here We Go!ロック•リー」など次々繰り出されるアッパーチューンの連続に、会場の盛り上がりは最高潮となった。
すっかりエビ中に魅了された無関心地蔵にもう一曲とリクエストされ、最後は「頑張ってる途中」で会場が一体となり、この大掛かりな学芸会は終演した。

アンコールでは「放課後ゲタ箱ロックンロールMX」など3曲を。それでも鳴り止まない声援に応えて登場したダブルアンコールでは「イッショウトモダチ」を熱唱した。
ここまで笑顔で頑張ってきた9人だったが、最後の挨拶では感極まって涙するメンバーも。昨年4月にももいろクローバーZのライブにゲスト出演した、思い出の中野サンプラザでの初の単独公演ということで、色々と思うこともあったのだろう。不安だった心境を話し涙しながらも達成感に満ちた彼女たちの姿 に、胸が熱くなった。

そうして感動のなか幕を閉じる、と思いきや、突如ステージが暗転し、VTRで校長が登場。そして今年3月、東京•よみうりランドでの野外学芸会の開催決定が発表された。このサプライズに思わず座り込み泣き崩れたり、抱き合い喜ぶメンバー達。そんななか普段マイペースな安本までもが涙ぐむ、が、「泣くの我慢して変な顔になってる!」とメンバー達にツッこまれ、会場は再び笑いに包まれた。

感動の展開でも、最後はやっぱり笑って終わる。これぞエビ中、これぞ「King Of 学芸会」と感じさせるようなライブであった。
可愛さゆるさはそのままに、どんどんと進化してゆく私立恵比寿中学。ますます目が離せない。

[TEXT by Reina Hikasa ]
[PHOTOS by Yuji Honda]



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